EUメルコスルFTAに暗雲、仏伊が最終採決延期で結束 農業界に懸念
パリでEU-メルコスール協定に抗議するため集まったフランスの農民たち。10月撮影。REUTERS/Stephane Mahe
Michel Rose Angelo Amante
[パリ/ローマ/ブリュッセル 15日 ロイター] - イタリアのメローニ首相とフランスのマクロン大統領は、欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスル)の自由貿易協定(FTA)締結に向けた最終採決を延期する必要性があるとの見解で合意した。消息筋2人が15日、明らかにした。
一方、欧州委員会の報道官は15日、メルコスルとのFTAは「EUにとって最重要事項だ」として年内の協定署名を目指す方針を改めて示した。
EUとメルコスルは1年前にFTA締結に合意したが、発効にはEUの最終採決と各国の批准が必要。今週中に採決が行われる見通しだったが、フランスは各国に反対を呼びかけており、EU人口の35%以上を占める少なくとも4カ国が反対すれば否決される。
ポーランドとハンガリーはFTAに反対しており、オーストリアとアイルランドもフランスの立場に共感を示している。消息筋によると、フランスは否決に必要なだけの反対を取り付けたもようだ。
FTAの推進派は、EUが重要鉱物などでの中国依存を減らすとともに、トランプ米大統領の関税措置による打撃を和らげる効果があると主張。これに対し、農家は安い輸入農畜産物が押し寄せるとの懸念から反対しており、フランスは14日に採決延期を求める意向を示していた。





