まるで落語「なんでこんなモノ持ってきた?」...変わり者たちの秘密基地、国立民族学博物館の舞台裏【民博特集1/4】
展示する予定の物が予定通りに着かない。展示にはそんなことも起きるのか。鈴木先生は大阪の南港まで船の手続きをしに行く羽目になった。
「南港ってことは、船が船に載ってきたってことですか?」
「そういうことです。船便で来ました。船に船を載せて。本当は自分で乗って帰りたかったんですけど、さすがに5メートルしかない船だから、それはちょっとやめたほうがいいですということで」
南港の保税倉庫に呼び出された鈴木先生は仕方なく出掛けていったそうだ。
激闘、通関攻防戦!
「これがね、滅茶苦茶細かいんですよ。コンテナのスペースが余ってたから、他に収集した物も入れるじゃないですか。布もあったんですが、『その番手はいくつですか?』とかね。そんなの知るかよ! ってことを延々と聞かれたうえに、書類に不備があるから再提出するよう言われました」
通関はなかなか厳しいようだ。
「ひどいのが、船の床に金属片が散らばっていたんです。ドアをつくってもらったときの破片です。現地の装飾ドアも収集したんですよ。で、これ何ですか? と聞かれたので、いや、ゴミですけど、と答えました。そしたら、それも数えろって言うんです。拾って数えて、73個ですって申告しましたよ」
船を運ぶためにコンテナを借り、スペースが余ったからと雑多な収集品を詰め込んだあげく、南港でゴミを拾い、数え上げたのだ。





