最新記事
BOOKS

なんでも他人や世の中のせいにする人が「増えている」理由、自分の「他責思考」を直す方法

2025年9月19日(金)16時55分
印南敦史(作家、書評家)

「自分以外が楽しそうでムカつく」という妬み


 行動だけでなく、思考においても「変わる」ことは怖いことです。他責が自動思考になって、変わることを拒む人が大半の中で、「自分は他責グセがあるかもしれない」となんとなくでも気づけたなら、まずはそう感じた自分を認めてあげてください。
 自らの気づきは、他責グセから抜け出る大きな一歩です。(139ページより)

他責になる要因が「過剰な自己保護」であり、その点に関して見落とすべきでないのは、「過剰に自分を保護する」ことと「自分を労る」ことは違うという点だ。

「自分を過剰に保護する」とは、自分の周りに頑丈なバリケードを作り、その中心にとどまること。

一方、「自分を労わる」とは、「自由に動きはするけれど、その過程で疲れたり、傷ついたりした場合には無理をせず、体と心がリカバリーするまで充分に自分を休ませてあげる」感覚だという。


バリケードをつくってそこに閉じこもっている生活は、安全ではありますが、楽しくはありません。どんなに安全でも、自分自身の生活に楽しさがなければ、他人が楽しんでいる様子を微笑ましく見ることなどできません。他人が自由に動いている様子は、危なっかしくて、目を背けたくなります。
 さらに、安全な場所から自由な世界を見ると、妬みの感情が生まれます。(140〜141ページより)

「自分以外が楽しそうでムカつく」といった妬みの感情は、それを吐き出したり、自分より弱い相手をいじめたりすることで一時的に解消できる。しかし、そんなことを繰り返していると他責思考がクセになってしまうのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

フェデックス株2%超上昇、6─8月期決算がポジティ

ワールド

EU、ロシア産LNG禁輸を1年前倒しへ 制裁第19

ワールド

米中首脳が電話会談、TikTok巡る合意模索 通商

ワールド

タリバンが英国人夫妻解放、2月から拘束 カタールが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    【クイズ】21年連続...世界で1番「ビールの消費量」が多い国はどこ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    イタリアでバズった日本小説って知ってる?――芥川か…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 10
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 9
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中