将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
Early Warning Sign for Children's ADHD Risk Discovered
「目指しているのは、特性をなくしたり矯正したりすることではなく、多様な発達のあり方がどのように形成されるのかを理解し、それぞれの子どもが力を発揮できる環境を整えることにある」
クロスビー氏もまた、ADHDの遺伝的要因に加え、幼少期のトラウマが影響を強める可能性に言及する。「ADHDのある人がトラウマの影響を受けやすいのか、それともトラウマがADHDの発症を促すのかは、現時点でははっきりしていない」
MRI技術は現時点で日常的なスクリーニングに広く使われているわけではないが、今回の研究が、より的確で効率的、かつアクセスしやすい子どもの脳の健康評価ツールの開発につながることを、研究チームは期待している。
「将来的には、より簡易で低コストな手段として、コンピュータ化されたテストや、脳活動を測定できるウェアラブル機器、さらには詳細な評価が必要な子どもを見極めるための質問票などが考えられる」とマッキントッシュ氏は述べる。
「脳の測定結果と行動、あるいは他の測定しやすい指標との関連性を探ることで、より身近なツールを使って子どもの脳の健康状態を評価できるようになる」
さらにマッキントッシュ氏はこう付け加える。「脳の発達を信頼性高く把握するのに必要な『最小限のデータ』を突き止めたい。それができれば、都市部だけでなく、地方や遠隔地の地域にもこうしたツールを届け、できるだけ早期から子どもを支援することが可能になる」