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家計管理が楽になり、メンタルヘルスも改善...日本人が知らない、給料日を増やすメリット

Work Now, Pay Later

2025年7月30日(水)16時30分
ジェーソン・ラーラン(IT企業デイフォース企業責任・サステナビリティー担当副社長)
カレンダーに書き込まれた給料日

頻繁に給与を受け取れるようにすれば給料日前のクレジットカード利用が減るという研究結果も RONSTIK/GETTY IMAGES

<生活コストが高騰し、労働者が経済的困難に直面している今、給料日を増やすというお手軽な解決策が世界で注目されている>

ノマドワーカーや海外で暮らしたい人々にとってスペインとポルトガルは夢の移住先だ。食事はおいしいし、気候は温暖、素晴らしい芸術や建築に囲まれ、ヨーロッパにしては生活コストが抑えられる。

労働者に優しい雇用政策も魅力。年間1カ月以上の有給休暇と祝日があり、スペインでは父親と母親の両方に4カ月の有給育児休暇が認められる。夏と冬のボーナスは特にうれしい。


だが給与支払いの頻度を知ったら、アメリカ人は移住に二の足を踏むだろう。スペインやポルトガルで就職した場合、給料日は月に1回しか来ない。給与の支払いが法律で「月1回以上」と定められた国は、ヨーロッパのほか中南米やアジアにも多い。

アメリカ人の多くは隔週払いに慣れているから、月払いを想像しただけで家計のやりくりが不安になるかもしれない。低所得者はなおさらだ。

とはいえアメリカでも、月払いの労働者はいる。フルタイムで働く1100万人近くが月払いで給与を支給され、中には公務員も多い。

だがスペインだろうがアメリカだろうが、既に稼いだ金の支払いを必要以上に待たされるいわれはない。給料日から次の給料日までの「給与サイクル」が長いほど労働者がやりくりに苦労し、短いほど生活が楽になることは学術研究でも裏付けられている。

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