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なぜファスティングが「がん」を予防するのか?...科学者にとっても衝撃だった「オートファジー」の力

2025年6月13日(金)08時20分
メーガン・ラモス(臨床研究者・〈ザ・ファス ティング・メソッド〉共同設立者)

ファスティングだ。

さらに、オートファジーはがんの成長スピードを遅くしたり、がんになるのを防いだりすることもわかった。この発見は科学者にとって衝撃だった。それまでオートファジーは、がんの成長スピードを速めると考えられていたからだ。

2019年にネイチャー誌に掲載された研究結果では、オートファジーはがんになる細胞を殺すのにおおいに役立つとされた。オートファジーが働かなくなると、こうした有害な細胞が自己複製し、がんを成長させてしまう。

では、オートファジーを働かせるには何をしたらいいだろう? ファスティングだ。


 

【参考文献】
Jean M. Mulcahy Levy & Andrew Thorburn, Autophagy in cancer: moving from understanding mechanism to improving therapy responses in patients, Cell Death & Differentiation,27, pages843-857 (2020), Published: 13 December 2019.


メーガン・ラモス(Megan Ramos)
臨床研究者。ファスティングと低炭水化物療法を用いたセラピーを行い、これまで世界で1万4千人以上にアドバイスをしてきた。 〈インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント〉と〈ザ・ファスティング・メソッド〉の共同発足者として、健康教育とサポートに従事している。NPO〈パブリック・ヘルス・コラボレーション・ カナダ〉のディレクターのほか、「ジャーナル・オブ・インスリン・ レジスタンス」誌の編集委員も務めている。


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