「韓国の病院はスパみたい」...若手建築家のSNSで注目が集まる「神経建築学」とは? デザインは心を救う?

Design for the Mind

2025年5月28日(水)14時53分
メリッサ・フルール・アフシャー(本誌ライフ・トレンド担当)

シンガポールの南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学 ZHUANG WANG/GETTY IMAGES

カタールのハマド国際空港

カタールのハマド国際空港 HASAN ZAIDI/GETTY IMAGES

「色彩や自然素材、植物、快適そうなソファが好き」と言う人や、「アメリカの病院は冷たい空間で今にも死ぬのだと感じる。でも韓国ではスパにいる気分」というコメントもある。「問題はかけるお金ではなく部屋自体の個性だ」と指摘するユーザーもいた。

「こうしたコメントがいい証拠だ」と、アンセルモは言う。「気付いていても、いなくても、人は周囲の空間に影響される。要はカネだと言い張る声もあったが、そうではないはずだ。これまでにデザインした空間のうち、最も出来がよかったものの一部は、予算的には厳しかった」


思いやりのある建築は、手の届くものであるべきだ──。アンセルモの最新のプロジェクトも、そうした信念が原動力になっている。

「現在は、ホリスティック教育を行う託児所の増設事業などと並行して、私のアパートの内部を撮影してシェアする動画シリーズに取り組んでいる。大きな挑戦だが、創造面で充実感がある」

託児所の設計を初めて任されたのは、学業を終えてから1年後のことだ。場所は故郷エドモントンだった。「総面積1000平方メートルの建築の設計を、単独で率いる羽目になった。請負業者や開発業者への対応も、業界用語も、何もかも1人で乗り切ることを学ばなければならなかった」

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