クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...「ウロリチンA」とは何か?【最新研究】
Scientists Reveal Snack That May Slash Colon Cancer Risk
主な発見として、クルミを食べた後により多くのウロリチンAを生成した被験者は、体内の炎症レベルが低下していたことが判明。特に肥満傾向にある、一般的に大腸がんのリスクが高いとされるグループで顕著だった。
また、これらの被験者では、直腸がんのリスク低下と、それに関連するホルモン「ペプチドYY(Peptide YY: PYY)」の増加も見られた。
さらに研究チームは、内視鏡で切除したポリープの組織を最先端の画像診断技術で詳しく分析。その結果、クルミ摂取後、ウロリチンAの形成量が多い被験者では、大腸がんで頻繁に見られる特定の重要なタンパク質である「ビメンチン(vimentin)」のレベルが大幅に低下していたことが明らかになった。
今回の研究は、同大学のマサコ・ナカニシ助教がマウスを用いてかつて行った、クルミによるがんリスク低減の可能性を示した研究に基づくもので、ヒトを対象とした本臨床試験につながった。
ローゼンバーグ教授は「ウロリチンAは炎症にかなり良い影響を与え、さらにはがん予防にも寄与する可能性があります」と述べる。
さらにクルミを食事に取り入れることで、適切な腸内細菌叢(腸内フローラ)の状態となり、ウロリチンのレベルが向上。特に肥満患者において、いくつかの炎症マーカーを大幅に減少させることを実証できたと研究チームは結論づけた。
ローゼンバーグ教授は、次のように述べる。