最新記事
メンタルヘルス

セラピストとAIどっちが良い? チャットGPTに悩みを相談する人が急増中...メリットと意外な「落とし穴」

The Chatbot Will See You Now

2025年2月20日(木)14時16分
カリーン・ハーブ
ロボットと話す青年

チャットボットやアプリはセラピーの垣根を低くしてメンタルヘルスの世界を変えつつあるが、人間との「ハイブリッド方式」が中心で「完全AI化」のハードルは高い PAULA/ADOBE STOCK

<AIには人目を気にせず「なんでも話せる」かもしれないが、専門家は人々が『セラピスト・ショッピング』に陥る危険性に注目している──>

AI(人工知能)ツールのチャットGPTをセラピーに活用する人が増え、人々の心の悩みとの向き合い方が変わりつつある。

TikTok(ティックトック)などのソーシャルメディアには、実際にお悩み相談をやってみせ、AIカウンセラーの活用方法をシェアする動画があふれている。発信者の多くは「使ってみて驚いた」と感想を語る。AIチャットボットは洞察力に富み、共感性が高いように見えるからだ。


チャットボットは24時間いつでも相談できる、使い勝手もコスト効率も良いカウンセラーのようだが、気になる点もある。個人情報の保護もその1つ。回答が的外れな場合もあるし、ユーザーがAIに依存しすぎるリスクもある。

AIは近い将来、人間のセラピストに取って代わる能力を秘めているのか。

◇ ◇ ◇


米オレゴン大学コンピューター情報科学部のダニエル・ロウド教授は、自分に合ったセラピストが見つからない場合は、チャットボットが役に立つと話す。

「60年前に(初期の)チャットボットのイライザが開発されて以来、人々はAIとの対話に慰めを見いだしてきた。悩みの解消には日記をつける、体を動かす、祈る、信頼できる友人に話す、セルフヘルプ本を読むといった方法があるが、これらは良いセラピストの代わりにはならない」と、ロウドは言う。

「一方、良いセラピストはなかなか見つからない。予約待ちが長かったり、料金が高かったり、同じセラピストでも相性が合う合わないは人それぞれだ。だからチャットGPTや(チャットボットの)クロードに話すことで、少しでも心が安らぐなら、素晴らしいと思う」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米税務事務所アンダーセン、上場で時価総額17.5億

ビジネス

ドイツの企業経営破綻、25年は前年比8.3%増で1

ワールド

白人至上主義は南アの主権を脅かす=ラマポーザ大統領

ワールド

タイ、領内のカンボジア軍排除へ作戦開始 国境沿いで
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    米、ウクライナ支援から「撤退の可能性」──トランプ…
  • 10
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中