最新記事
サイエンス

研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉妹で一番かわいがられるのは?

Family Favoritism

2025年2月7日(金)17時30分
ハティ・ウィルモス(食品・栄養担当)
親子

親の接し方の微妙な違いに子供は敏感 SKYNESHER/ISTOCK

<「ここ数十年に傾向が変わったのか...」と、計2万人の解析結果に驚愕。親の性別も、子供の性格も関係ない>

きょうだいの中で親に特にかわいがられる子供がいることが最新のメタ解析研究で確認された。アメリカ心理学会誌で今年1月に発表された論文によると、統計的傾向としては親が特にかわいがるのは最初に生まれた女の子で、良心的なタイプの子だという。

「過去の2、3の研究では、母親は女の子、父親は男の子をかわいがるという結果が出ていた」と、同論文の筆頭執筆者であるブリガム・ヤング大学家庭生活大学院のアレクサンダー・ジェンセン准教授は本誌に話した。「私も学生にそう教えていた」


解析の結果、「母親も父親も女の子をかわいがると分かり、大変驚いた」と、ジェンセンは言う。「ここ数十年に傾向が変わったのか。長期にわたるデータがあれば、それを確認したいところだ」

ジェンセンによれば、「特にかわいがる」とは、親が主観的に「この子が一番かわいい」と思っていることではなく、愛情や親子の対立、それぞれの子供に費やす時間や資源などを基準にした客観的な評価だという。

「親に特にかわいがられることは良い面も悪い面もあるが、この研究の狙いは、どの子がかわいがられる傾向があるかを明らかにすることだ」と、ジェンセンは語った。

ジェンセンは論文の共同執筆者と共に、30の先行研究(調査対象者は合計で2万人近くに上る)を解析。生まれた順番や性別、気質や性格が親のえこひいきとどう関連しているかを調べた。

その結果、より良心的で従順かつ責任感があり生活態度がきちんとしている子供は親にかわいがられる傾向があることが分かった。また、親の性別など他の要素は子供のえこひいきにはあまり影響しないことも分かった。

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏のMRI検査は「予防的」、心血管系良好=

ビジネス

再送-インタビュー:USスチール、28年実力利益2

ビジネス

再送-〔アングル〕日銀総裁、12月利上げへシグナル

ワールド

ロ軍、ドネツク州要衝制圧か プーチン氏「任務遂行に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中