最新記事
健康

交通渋滞に巻き込まれるとなぜ「ジャンクフード」を食べたくなるのか?...「30秒遅延」の意外な関係性【最新研究】

Slow Traffic, Fast Food: Study Links Road Delays with Unhealthy Eating

2025年2月9日(日)11時00分
ショーン・デューク(科学担当)
運転

BrianPenny-pixabay

<「予期せぬ渋滞の発生」と不健康な食生活を考える上で示唆ある研究について>

空腹のまま渋滞にはまり、「もうファストフードで済ませよう」と考えたことはないだろうか? もしそうなら、あなたは決して一人ではない。

交通の遅れがファストフード店の来店増加につながる──「予期せぬ渋滞の発生」と「ファストフード店の来客増加」の間に因果関係があることが最新研究で明らかになった。


 

ロサンゼルスの高速道路の交通状況パターンを2年以上にわたって分析。同時期にファストフード店を訪れたスマートフォン利用者のデータとを統合した研究によると、わずか1マイル(約1.6キロメートル)あたり30秒の交通遅延が発生するだけで、ファストフード店の来客数が1%増加することが判明した。

本研究の筆頭著者であり、イリノイ大学農業消費者環境科学部(The Department of Agricultural and Consumer Economics at the University of Illinois)のベッカ・テイラー助教授は次のように述べる。

「通常の混雑を超える予期せぬ渋滞が発生すると、ファストフード店への訪問が1%増加することがロサンゼルス郡における分析の結果、判明しました。1%という数字は一見わずかですが、ロサンゼルス郡全体では年間120万件に相当します。不健康な食生活の変化を考える上で重要な示唆を含んでいます。

1マイル(約1.6キロメートル)あたり30秒の遅れがどの程度のものか、直感的には分かりにくいかもしれません。しかし、午前10時と午後5時の交通量の違いを思い浮かべるとイメージしやすいのではないでしょうか」

さらに時間ごとのデータを分析した結果、夕方のラッシュアワーに交通渋滞が発生すると、ファストフード店への訪問が増加する一方で、食料品店への訪問がやや減少することも判明した。

その背景について、テイラー助教授は次のように述べる。

食と健康
「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社食サービス、利用拡大を支えるのは「シニア世代の活躍」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀の国債買い入れ、10月に10―25年ゾーンを減

ワールド

米移民当局の日本人拘束を確認、適切に対応=林官房長

ビジネス

アングロ・アメリカン、加テック・リソーシズと経営統

ビジネス

三菱電機、制御・運用技術セキュリティーの米企業を1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 3
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒否した母親、医師の予想を超えた出産を語る
  • 4
    石破首相が退陣表明、後継の「ダークホース」は超意…
  • 5
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 6
    ドイツAfD候補者6人が急死...州選挙直前の相次ぐ死に…
  • 7
    もはやアメリカは「内戦」状態...トランプ政権とデモ…
  • 8
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 9
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 10
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 10
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中