最新記事
心理学

老後の知恵...「断れない人」「すぐ謝る人」が「雑に扱われない人」になるために絶対すべきこと

2024年6月19日(水)10時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
人間関係に悩むシニア

polkadot_photo-shutterstock

<家族間でも、友人間でも、「雑な扱い」を受けるのは屈辱的なこと。でも相手が自分をどのように扱うかは、あなたの心がけ次第である程度コントロールできる>

年を重ねれば重ねるほど、大人として、年配者として常に相手への気遣いが求められる。

しかし、よかれと思った言動がかえって自分の立場を弱いものにしてしまったり、相手との距離感が近くなりすぎてしまったり、大人の人間関係は難しいものだ。

この記事では、42歳でパーキンソン病を患い、30年以上にわたり多くの患者を診察してきた精神科医キム・ヘナム氏が、65歳の現在地だからこそ見えた「健全な人間関係」の築き方を伝授する。
『「大人」を解放する30歳からの心理学』「年甲斐」「分別」「大人げ」「責任」といった、大人だからこそ背負わされてしまう「生きづらさ」を解きほぐす心理学の知恵を集めた、韓国で20万部を突破したキム氏の著書『「大人」を解放する30歳からの心理学』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し紹介する。

※本書からの抜粋第1回:韓国人は7割が「完璧主義者」!? 競争社会で「成果を上げる人」と「ストレスで潰れる人」の違い

◇ ◇ ◇

周りを見ると、責任感が強くて周囲への気遣いがあり、常に親切であろうと努めている人たちがいる。彼らの大半は人から頼まれると断れない性格だ。

断ったらがっかりされる、今回だけは我慢するか、自分さえ我慢すればみんなが助かると考え、無理な要求も聞き入れてしまう。断ったら相手との関係がこじれそうで怖いからだ。

このように嫌でも平気なふり、つらくても大丈夫なふり、腹が立っても何でもないふりを一生懸命している人たちは、相手の気持ちばかりおもんぱかって、自分の心がすり減り爆発しそうなことには気づかない。

それどころか全く非がないところで、とりあえず謝ってしまうこともある。彼らは他者と対立することを極度に嫌うため、先に謝ることで摩擦を避けようとするのだ。自分の意見を主張するより、他人の意見に従うほうが安心だと自らを慰めながら。

しかし謝罪に関しても、過ぎたるは及ばざるがごとしだ。謝罪の言葉を口にすれば、お互いに激高せずには済むかもしれない。それによって、その場は気持ちが楽になることもあるだろう。

とはいえ単に気まずさを回避するためだけにする謝罪は、すこぶる愚かなものである。何も悪いことをしていないのに、どうして自らをおとしめようとするのか。相手のことを尊重しておきながら、自分自身をドブに突き落としているようなものだ。

あなたを守れる人間は他の誰でもない、あなた自身だ。だから何も非がないところで謝る行為は、自らを侮辱する行為にほかならない。自分自身を雑に扱うなんて、あってはならないことである。

人から不当な扱いを受けた場合も同じだ。じっと我慢していたら、相手はあなたを無碍に扱ってよいものと考え、次からはそのことに罪悪感さえ抱かなくなる可能性がある。だから不当な時は不当であると、しっかり主張することだ。それでこそ、相手もあなたに敬意を示すようになるのだから。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英失業率、8─10月は5.1%へ上昇 賃金の伸び鈍

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、12月速報値は51.9 3カ月

ビジネス

仏総合PMI、12月速報50.1に低下 50に迫る

ワールド

26年度予算案が過去最大へ、120兆円超で調整=政
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中