最新記事
健康

本当に大切なのは休肝日より「休脳日」...その二日酔い対策はむしろ危険!?

2024年5月10日(金)18時06分
吉本 尚(筑波大学准教授) *PRESIDENT Onlineからの転載
「水を飲む」でも「サウナ」でも「たくさん寝る」でもない...ひどい二日酔いを治すたったひとつの方法

New Africa - shutterstock

<二日酔いには、水を飲む?、サウナ?、翌日に走る、でも、たくさん寝る、でもない...健康的にお酒を楽しむには、どんなことに気をつければいいのか>

筑波大学医学医療系の吉本尚准教授は「飲む量やアルコール度数を減らすといった『減酒』を意識したほうがいい。ただ、健康を考えるなら飲まないのに越したことはない」という――。

※本稿は、吉本尚『減酒セラピー』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

【「酒は百薬の長」は本当か】

お酒にまつわる「空気」の変化は、日本だけのものではなく世界的な潮流です。確かにお酒には人と人との出会いを演出したり、料理をおいしくいただけるといった良い面もありますが、「実は少量でも飲むこと自体に害があるんじゃないか?」と考える人が増えてきたのです。

一般の生活者の実感からも、アルコールに関する研究者や医師たちの知見からも、そうしたことが近年、課題として浮かび上がってきたという感じです。昔から「酒は百薬の長」と言われてきました。「少し飲んだほうが長生きする」なんて、よく聞きますよね。

でも、お酒好きの免罪符になってきたこの言説には誤りがあることも、今、研究者の間では通説になっています。

飲酒には、血流を良くするという効果が確かにあります。たとえば下のグラフのように、心疾患や脳梗塞などの血管に関係する疾患には、少量の飲酒が良い影響をもたらすことを示しているようにも見えました。

しかし、以前から研究者の間では、飲酒ゼロの人の死亡リスクが、飲む人よりも高くなるのはおかしいという指摘がありました。

日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

12月利下げは不要、今週の利下げも不要だった=米ダ

ビジネス

利下げでFRB信認揺らぐ恐れ、インフレリスク残存=

ワールド

イスラエル軍がガザで攻撃継続、3人死亡 停戦の脆弱

ビジネス

アマゾン株12%高、クラウド部門好調 AI競争で存
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中