英総合PMI、12月速報は52.1に上昇 予算案で増税懸念和らぐ
ロンドンのシティで11月21日撮影。REUTERS/Toby Melville
William Schomberg
[ロンドン 16日 ロイター] - S&Pグローバルが16日発表した英国の12月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は52.1で、11月の51.2から上昇した。国内企業は、財務相が11月下旬に発表した予算案による増税への懸念から脱しつつあるもようだ。
ロイター調査によるエコノミスト全員の予想を上回ったが、長期平均は下回っている。
11月26日に発表された予算では260億ポンド(350億ドル)の増税を打ち出したが、その大半の導入は後ずれされ、昨年のような打撃は免れた。
PwCのシニアエコノミスト、ジェイク・フィニー氏は、「(予算案による)需要への影響は懸念されたほど深刻ではないと企業は安心しているようだ。ただ雇用の減少が依然として広範囲に及んでおり、雇用が回復するかどうかは不透明だ」と述べた。
PMI 発表後、ポンドは対ドル、対ユーロで値を上げた。国債価格は下落したが、イングランド銀行(英中銀)が18日に利下げするとの予想に変化はなかった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、今回の調査は第4・四半期の経済成長がわずか0.1%にとどまることを示すとし、「昨年の予算案発表後のように、景況感が落ち込んでいないことは大きな救い」と指摘。
「しかし、生産と需要の全体的な伸びのペースは依然として力強さに欠け、景気拡大は依然テクノロジーや金融サービスに大きく依存しており、他の多くの部分は拡大が困難か減少している」と述べた。
PMIの総合・サービス指数はともに過去2カ月で最高水準となり、製造業は過去15カ月で最高となった。
新規受注は昨年10月以来のペースで拡大、今後12カ月の期待指数は長期平均を下回るが過去1年超で2番目の水準に上昇した。
13カ月間減少していた新規輸出受注は増加に転じ、需要増への対応にサプライヤーが苦慮するなか受注残は、ほぼ3年ぶりに増加した。
インフレ圧力は強まり、投入価格は2カ月連続で加速したが、11月に5年ぶりの低水準を記録した製品価格は上昇した。
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