最新記事
教育

世界の一流大学に日本の「普通の高校生」が入れるウラ技とは? 『トランスファー』で夢を叶えよう

2023年4月15日(土)15時15分
山内勇樹 *PRESIDENT Onlineからの転載

コミカレ2年間→3年次編入ルートが王道

ではなぜ「普通」の子が、東大、京大と肩を並べるトップ校に入学できるのでしょうか。それは、「編入(トランスファー)」という方法を使うからです。

流れは次の通りです。例としてアメリカの大学に入学するケースを、2024年3月に高校卒業、というケースを起点として示します。


2024年3月 高校卒業
2024年6月 現地2年制大学のコミュニティカレッジ(コミカレ)の語学学校入学
2024年9月 コミカレ入学
2026年9月 4年制大学の3年次へ編入
2028年5月 大学卒業

つまり、コミカレで2年間学び、その後トップ100の大学に編入するというコースをとります。高校の成績は、10段階評価で平均6くらいを取っていれば問題ありません。また、現地の語学学校を卒業すれば、4年制大学の入学に求められるTOEFLのスコアの提出も必要ありません。これらが、「普通」の子がトップ校に入れる秘密なのです。

海外進学は「意識が高い・お金持ち・成績優秀」という3拍子が揃った高校生だけの特権と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。「何がしたいかわからない」「引きこもり」「毎日ゲーム三昧」という高校生も、海外進学を選んで成功しています。つまり、海外進学は人生を逆転するための有効な手段なのです。

海外進学のルートは4つある

日本の高校を卒業して、海外大学に進学する場合、その方法はいくつかあります。

①フレッシュマン入学
一般的に多くの方が想像する留学スタイルです。4年制大学に直接入学するタイプの留学です。日本の高校の成績(GPA)、TOEFL(トフル)等の英語スコア、出願エッセー、推薦状、地域によってはSAT(エスエーティー)等の標準テストスコアを海外大学に提出し、合否判定を得ます。

②トランスファー入学
実際に多くの学生が使う留学ルートです。高校卒業後、一度2年制のコミュニティーカレッジ(コミカレ)に2年間在籍し、3年次で4年制大学に編入学する方法です。世界の名門大学に合格している日本人学生の大多数はこのルートです。

③国際バカロレア(IB)、ケンブリッジ国際認定校からの入学
国際カリキュラムとして世界に広がっているバカロレアやケンブリッジプログラムを採用している高校で履修し、その修了証明をもって、資格を認定している大学に出願します。IB入試と呼ばれるように、IBのスコアを使って合否を判定する場合もあれば、IBのスコアを一般入試の判定基準の項目のひとつとして扱う場合もあります。

④海外協定校への推薦入学
日本の高校と海外大学との間で「協定」がある場合、その協定先に推薦入試の形式で出願する方法です。UPAS(海外大学進学協定校推薦入試制度)、UPAA(海外協定大学推薦制度)という枠組みに加盟している高校で学び、協定先の海外大学から出願先を選び、合格を得た学校に留学します。それぞれ「加盟校」と調べれば一覧が出てきます。

このように海外進学といっても、出願の仕方は複数あります。どの方法が絶対的に優れているということではなく、海外進学を実現するための道筋が複数あるとお考えいただければと思います。

③と④は高校の制度によるものですから、今回は②の「トランスファー入学」についてご説明します。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

再送-米、ロ産石油輸入巡り対中関税課さず 欧州の行

ワールド

米中、TikTok巡り枠組み合意 首脳が19日の電

ワールド

イスラエルのガザ市攻撃「居住できなくする目的」、国

ワールド

米英、100億ドル超の経済協定発表へ トランプ氏訪
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中