最新記事
育児

「ごめんなさい」を上手に言える...謝れる子供になる6つのステップ

I’M SORRY I DID THAT

2023年3月31日(金)12時40分
マージョリー・インガル、スーザン・マッカーシー(ともにソーリーウオッチ・ドットコム創設者)
子供

NITAT TERMMEE/GETTY IMAGES

<謝罪の仕方を分析・研究する専門家が教える、子供の導き方と大人が学ぶべき「いい謝罪」>

謝罪は文明社会において欠かせない要素だ。それなのにその意義を取り違えたまま謝ろうとしたり、謝罪自体を避けて通ろうとする人が実に多い。

謝ることの難しさはどこからくるのか? そして上手に謝るにはどうしたらいいのか? 謝罪にまつわる話題を専門に扱うウェブサイト「ソーリーウオッチ・ドットコム」の創設者であるマージョリー・インガルとスーザン・マッカーシーは10年間にわたり、「いい謝罪」と「悪い謝罪」についてデータを集めて分析してきた。新著『ソーリー・ソーリー・ソーリー』(ギャラリー・ブックス刊)で2人は、「悪い謝罪」をしてしまう理由を解き明かすとともに「いい謝罪」をする秘訣を紹介している。

以下は同書からの抜粋。どうすれば子供たちに上手な謝り方を教えられるかについて書かれた部分だが、あらゆる世代の人々にとって参考になるはずだ。

230404p52_ASK_03.jpg

謝罪のしつけのノウハウを伝授する新著

◇ ◇ ◇


小さい子供たちの謝罪(もしくは謝罪の手紙)は、時として実に魅力的で感動的で、そして面白い。

ライリーの書いた手紙を見てみよう。「キアラへ。ゆびにはなくそをくっつけておいかけてごめんなさい。ここに(鼻くそを)つけておくので、やりかえしていいよ。ライリー」

実に素晴らしい謝罪だ。ライリーは「ごめんなさい」という言葉を使って、世間や第三者にではなく、キアラ本人に謝っている。そしておわびの印として、仕返しをするチャンスまで提供している。

「ジョンソン先生へ。授業の邪魔をしてしまったのだとしたら反省します」といった謝罪文とは大違いだ。まず、「だとしたら」の部分がない。友達に鼻くそをくっつけようとして追いかけるのは悪いことだとライリーは分かっているし、「そんなつもりじゃなかった」ふりもしない。おまけに仕返しできるようにと鼻くそをキアラのために取っておいてあげているのだから。

もう1つ、小さい子供の素晴らしい謝罪文を紹介しよう。「このアイスクリームけんは、28にちきんようびに、こどものげろをそうじしてくれたひとたちにあげます。なまえはしらないけど、どうもありがとう。はいてしまってごめんなさい。トイレのちかくでげろをはいたこども、ジャックより」

謝ることは難しいと認める

この子も、自分が何について謝っているかを具体的にはっきりと述べている。「発生してしまいました嘔吐の一件」みたいに自分の関与を曖昧にしたりしない。文面からは、自分がどんな迷惑をかけたかをジャック本人が理解し、償おうとしていることがよく分かる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、主力株の一角軟調

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー

ワールド

中国財政政策、来年さらに積極的に 内需拡大と技術革

ワールド

北朝鮮の金総書記、巡航ミサイル発射訓練を監督=KC
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中