最新記事

ヘルス

加工食品による「快楽」から脳を守る──ファスティングを習慣にする3要素とは?

2023年2月10日(金)10時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

不健康な習慣を断つ

習慣は3つのものによってつくられる。きっかけ、ルーティン、一定の報酬だ。たとえばストレスなどがきっかけとなって、あることを繰り返し行うようになり、それがたとえばリラックスや幸せの感情という報酬に結びつくと、それが習慣になる。例を挙げてみよう。

義理の親戚の家を訪ねるのが嫌いで、先方に行くたびにキッチンをウロウロして、甘いお菓子や塩辛いスナック菓子をつまんでいるとする。すると、高度に加工されたそうした食べ物によって、脳の中の快楽を感じる部分が活性化され、逃げ出したいほど嫌いなその家にいるストレスよりも、幸福感が上回るようになる。

ルーティン(この場合は食べること)は、きっかけと報酬をつなぐ重要な要素だ。そのルーティンをやめれば──あるいは、そのほかのことをすれば──そのルーティンが報酬につながるのを避けることができる。

きっかけはさまざまだ。結婚したり、すばらしい旅行に行ったり、夢だった職業に就いたりと、ポジティブなものもある。一方、職場でのストレス、悲しみ、孤独、病気など、ネガティブなものもある。

でも、きっかけが何であれ、ルーティンは同じ。精製され、高度に加工された炭水化物を食べることだ。「お祝いにアイスクリームを食べよう!」「悲しくてしかたないから、アイスクリームを食べよう!」という具合に。

習慣を変えたければ、ルーティンを変えなければならない。報酬──いい気分になること──は、高度に加工された炭水化物やお菓子がなければ手に入らないわけではない。

私の主な仕事は、患者が別の方法でリラックスしたり幸せを感じたりすることができるように、カウンセリングをすることだ。つまり、食べ物に頼ることなく、じっさいに報酬を得られるような方法を考えるということだ。いまのサイクルを断ち切るためには、ふたつの戦略が必要だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベラルーシ大統領、米との関係修復に意欲 ロシアとの

ビジネス

ECBが金利据え置き、4会合連続 インフレ見通し一

ワールド

ロシア中銀、欧州の銀行も提訴の構え 凍結資産利用を

ビジネス

英中銀、5対4の僅差で0.25%利下げ決定 今後の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中