最新記事

人生が豊かになる スウェーデン式終活

ヒュッゲな北欧から、80歳超の「こんまり」が登場した理由

2018年7月19日(木)17時05分
ニューズウィーク日本版編集部

――近年欧米で大旋風を起こした「ヒュッゲ(デンマーク流のスローで素朴なライフスタイル)」など、北欧の考え方がいま世界で注目されているのはなぜだと思うか。

北欧は生活水準が高い。平均寿命も長いし、それなりに幸せな生活を送っている。とても平等な社会だし。冬はあんなに寒くて暗い地域で、どうしてそんな社会が実現できたのか、人々は知りたいのかもしれない。

――いらなくなった物を家族や若い友人にあげたいと思ったけれど、相手が欲しがらない可能性がある場合にはどうすればいい?

チャリティーに出すか、売る方法を考えるべき。とにかく、人が欲しがっていない物をあげてはダメ。

――あなたの著書は、ベストセラーになった近藤麻理恵の本『人生がときめく片づけの魔法』に共通する部分があると思うか。「心がときめく物だけを取っておく」というのが彼女のモットーだが、あなたの場合は?

私のモットーは「大好きな物でなければ手放す。使わない物は手放す」。近藤の本は読んでいないけれど、終いじたくを終えたら読んでみる。

――終いじたくと向き合いたくない人には、何とアドバイスする?

私の本を読んでみてほしいと薦める。私はこの本を書いたことで、子供たちと死についてとても建設的な話し合いができた。ハードルの高いテーマは、誰かと話したり本を読んだりすると、身近で分かりやすくなるもの。死というのは難しいテーマだから、もっと語り合うほうがいい。

――あなたの本は世界20カ国で出版される見通しだけど、そんなに注目されると予想していた?

私の終いじたくのやり方が注目されるなんて、夢にも思っていなかった。こんなに興味を持ってもらえて、とても驚いているし嬉しい。

――本の中で書くのが一番苦労した部分は?

苦労なんて全然しなかった。長年終いじたくをしてきたから、それについて書くことは純粋に楽しかった。唯一辛かったことと言えば、年なので昔のようなエネルギーがないこと。でも本を書くことで、以前よりもエネルギーが沸いてきた。

【参考記事】世界の「終活」最新事情 人生の最後まで自分らしく生きる知恵
【参考記事】スウェーデン式「断捨離」の達人が直伝する、片付け4つの極意


『人生は手放した数だけ豊かになる』
 マルガレータ・マグヌセン 著
 上原裕美子 訳
 三笠書房


180724cover-200.jpg<世界で高齢化が加速するなか、最後までより豊かに生きる道を模索するシニアが増加中だ。本誌7/24号(7/18発売)「人生が豊かになる スウェーデン式終活」では、周囲に面倒をかけず、残りの人生を自分らしく楽しむための北欧式「終いじたく」を特集。他にも知っておくべき新常識から最新トレンド、デジタル遺産の整理術までを厳選して紹介する>

20240514issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月14日号(5月8日発売)は「岸田のホンネ」特集。金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口……岸田文雄首相が本誌単独取材で語った「転換点の日本」

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正(7日配信記事)-英アストラゼネカが新型コロナ

ワールド

EXCLUSIVE-チャットGPTなどAIモデルで

ビジネス

円安、輸入物価落ち着くとの前提弱める可能性=植田日

ワールド

中国製EVの氾濫阻止へ、欧州委員長が措置必要と表明
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グラフ」から強さを比べる

  • 4

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 5

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増す…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中