最新記事

観光

北海道ガーデン街道の中でも「特別」な、あのガーデンに行くべき理由

2018年3月22日(木)13時23分
Pen Magazine International

Photos: Pen Magazine International

<大自然を生かした庭園をハシゴする観光客が後を絶たない「北海道ガーデン街道」。その中で異彩を放つ帯広の「紫竹ガーデン」は、あるひとりのマダムが作った>

北海道の大雪〜富良野〜帯広をつなぐ、全長約250kmにわたる「北海道ガーデン街道」をご存じだろうか。上野ガーデンや風のガーデンなど、名庭で知られる8つの庭園を結ぶラインのことだ。

penintl180322-2.jpg

ハイシーズンともなれば、北海道ならではの大自然を生かした庭園をハシゴする観光客が、連日後を絶たない。その中でも、帯広にある「紫竹ガーデン」は特別だろう。

整然と植え込まれた多くの庭園とは異なり、1500坪の敷地は、まるで野山を歩いているような感覚になる。季節ごとに咲き乱れる野趣あふれる花々は、しっかり手入れされながらも、なんだか自由だ。

penintl180322-3.jpg

紫竹ガーデンには、花を愛でるだけでなく、名物オーナーを"愛でる"楽しみがある。オーナーの紫竹昭葉(しちく・あきよ)さんは、御年90歳。開園中に庭をのんびりと歩いたり、ちょこんと椅子に腰掛けたり。そんな昭葉さんのまわりには、すこしでも「お話をしたい!」と、観光客たちがずらりと列を成す。

咲き乱れる花に負けない個性と魅力を放つマダム。その魅力は、Penの国際版ウェブサイト「Pen Magazine International」で公開されている。

penintl180322-4.jpg

紫竹ガーデンが生まれたきっかけは、長く連れ添った夫を亡くし何年も悲しみに暮れていた昭葉さんに、娘が呟いた一言だった。「お父様は、お母様のことを、明るい太陽やヒマワリのような人だよねって、いつも言ってたよね」と。その言葉で、昭葉さんは悲しみから覚め、自分らしく生きようと決意した。

penintl180322-5.jpg

そして、自身がイメージする北海道の美しい野原をつくろうと考えたという。そう、お花畑ではなく「野原」。そうして林ができ、森になって、そして自然に花で溢れた。

北国の北海道にも、もうすぐ春が訪れる。紫竹ガーデンを散歩する昭葉さんに会いに行こう。

※ドキュメンタリームービーはこちらで見られます。

※当記事は「Pen Magazine International」からの提供記事です。
Pen Magazine International

【お知らせ】
ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮情勢から英国ロイヤルファミリーの話題まで
世界の動きをウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CB景気先行指数、8月は予想上回る0.5%低下 

ワールド

イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点を空爆

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中