【インタビュー】LL・クール・J、11年ぶりの新作に込めた「ヒップホップへの愛」

Still Doin’ It Well

2024年10月25日(金)15時20分
ウィリアム・ケッチャム(音楽ライター)

3曲目の「サタデー・ナイト・スペシャル」は、大物ラッパーのリック・ロスとファット・ジョーの参加を得て、ストリートの現実にさらされるギャングの生きざまを歌う。

LL COOL J - Saturday Night Special ft. Rick Ross, Fat Joe

6曲目の「プロクリビティーズ」は、若者に大人気の女性ラッパーであるスウィーティーとのなまめかしいラブソングだ(これもLLがラップにもたらしたジャンルだ)。続く「ポストモダン」では、80年代のLLを彷彿とさせるラップを聴くことができる。

LL COOL J - Proclivities ft. Saweetie


ほかにも「プレイズ・ヒム」ではNAS、「ヒューイ・イン・ザ・チェア」でバスタ・ライムス、「マーダーグラム・ドゥ」でエミネムなど、ベテラン人気ラッパーがこぞって参加しており、さすがLLの新作だとうならずにはいられない。

Praise Him

Huey In The Chair

LL COOL J - Murdergram Deux ft. Eminem

目立つ社会派の歌詞

ただし多くのファンが驚くのは、新作にアメリカ社会における黒人の文化や生き方を扱った歌詞が目立つことかもしれない。

例えば、4曲目の「ブラック・コード・スイート」では母親の料理から始まって、スティービー・ワンダーやデューク・エリントンなど黒人文化を語り、10曲目の「ヒューイ・イン・ザ・チェア」は急進的な公民権運動を展開した組織ブラック・パンサーの共同創始者ヒューイ・ニュートンを題材にしている。

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