最新記事
映画

米で興収振るわず、ネットで「いよいよ死に時か」...『エクスペンダブルズ ニューブラッド』老優たちの熱演が最高

Twilight of the ’80s Action Gods

2024年1月12日(金)20時35分
ジョディ・ローゼン

それに、何といってもヒーローたちが骨董品級。老いてなおあごは垂れず、ジムで鍛え、もしかしたら薬や外科手術も使って強化した腹筋・胸筋は必見だ。とりわけスタローンの肉体美。もう77歳だが、いまだに肉体はムキムキで、顔は不自然なほど滑らかで血色がよく、絶対に崩れない。

激闘に耐える体形を保つために、一体どれほどの時間をウエートトレーニングや美容整形に費やしてきたのだろう。きっと、スタローンの辞書に「老い」という言葉はないのだ。この調子なら『エクスペンダブルズ』の第5作、第6作もできる。

でも、それは映画業界の現実が許さないかもしれない。ハリウッドでは、観客を動員できなければ終わりだ。時代が変わり、80年代的な壮絶アクションを愛するファンは絶滅の危機なのかもしれない。

もちろん、こういうマッチョで乱暴なヒロイズムが容認されなくなってきたのは、少なくとも人類にとっては歓迎すべきことだと思う。

でも個人的には、ちょっと寂しい。映画館でポップコーンを頰張りながら、こういう無心な快楽に浸れた古き良き時代は過ぎ去ったのだろうか。とうとう「死に時」が来たのだろうか。どうせ映画、大げさで愚かで無責任で何が悪い? ああ、まだ『エクスペンダブルズ』の死に時ではないと思いたい。

©2024 The Slate Group

EXPEND4BLES
エクスペンダブルズ ニューブラッド
監督/スコット・ウォー
主演/シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム
日本公開中

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、クルスク復興に工兵派遣へ ショイグ氏が今月

ビジネス

米小売売上高、5月ー0.9%で予想以上の減少 コア

ビジネス

日産、3代目「リーフ」を米で今秋発売 航続距離など

ビジネス

アングル:日銀、経済下押しの程度を注視 年内利上げ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 7
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 8
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 9
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中