最新記事

世界に挑戦する日本人20

アメリカを沸かせたジャニーズJr.! Travis Japan「実力勝負の場で自信も付いた」

2022年9月6日(火)18時41分
八木橋恵(ロサンゼルス在住ライター)、大橋 希(本誌記者)
Travis Japan

「アメリカズ・ゴット・タレント」で大喝采を受けた(左から)吉澤、松倉、宮近、川島、中村、松田、七五三掛 TRAE PATTONーNBC/GETTY IMAGES

<デビュー前でありながら、メンバー全員で留学、アメリカ挑戦を続ける「トラジャ」。米人気番組『アメリカズ・ゴット・タレント』、国際大会「ワールド・オブ・ダンス」で喝采を受ける彼らを現地取材した>

7月29日、米西海岸らしい青空が広がる金曜日。カリフォルニア州ロサンゼルス中心部から車で40分、大谷翔平の活躍とともに日本でよく知られるようになったアナハイムの隣に位置する、のどかな町ブエナパークはいつもと違う熱気に包まれていた。
20220906issue_cover200.jpg

この週末、ブエナパークのモール「ザ・ソース」を会場に「ワールド・オブ・ダンス(WOD)」世界大会が開催された。WODは幾多あるダンスの国際大会の中でもヒップホップ、コンテンポラリー、ジャズなどのジャンルで競うことのできるまれな大会で、こうしたダンスを楽しむならその名を知らない人はいないほど権威がある。

しかもコロナ禍により、3年ぶりの開催。今春の予選から高い注目を集めていた。

第1部のスタジオ部門の後、第2部のUSA部門は開始予定が1時間近く押していた。しかし、運営スタッフも審査員も焦る様子はない。

西海岸らしい緩やかな進行と対照的だったのが、時計とステージ前の居場所を気にする日本人たち。よく見ると、彼女たちはグループ名が書かれたメッセージボードやメンバーの顔が印刷されたうちわなどを手にしている。第2部の最初に登場するチームは、ジャニーズ事務所から参戦したTravis Japan(以下「トラジャ」)なのだ。

トラジャは宮近海斗(24)、中村海人(25)、七五三掛(しめかけ)龍也(27)、川島如恵留(のえる、27)、吉澤閑也(しずや、27)、松田元太(23)、松倉海斗(24)からなるジャニーズJr.内の人気ユニット。今年3月下旬からダンスや歌、語学力を磨くため無期限でロサンゼルスに留学している。

休憩時間を短縮してようやく予定どおりのスケジュールになった18時過ぎ、司会者が次の出演者の説明を始めると会場の熱気は頂点に達した。20時頃に日が落ちる西海岸では過ごしやすくなる時間帯だが、それと反比例するかのような熱さが会場を包み込む。

「日本からの出場者、Travis Japan」とアナウンスされ、6人が入場口の階段を駆け上がると怒号に近い歓声が上がった。

「ファンとの約束を守れた」

オリジナル曲のメドレーに和楽器を合わせたリミックス、印象的なキツネのお面と扇子、自分たちで考えた振り付けに、切れのあるダンス。

常に一生懸命で真面目に、けれど楽しそうにベストのパフォーマンスをする。そこにいたのはいつものトラジャだった(予選と違うのは吉澤が体調不良で活動休止中のため、6人用の振り付けに変更されたこと)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日鉄のUSスチール買収、法に基づいて手続き進められ

ワールド

再送-中国とインドネシア、地域の平和と安定維持望む

ワールド

インドネシア、大規模噴火で多数の住民避難 空港閉鎖

ビジネス

豪企業の破産申請急増、今年度は11年ぶり高水準へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中