最新記事

教育

子どもがすぐに「ググる」のはダメなのか?

2022年8月16日(火)11時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

そんなとき子どもが「何をしているの?」と聞いてきたら、「会社の人とお仕事の話し合いをしているの」と、そのままに疑問を解決してあげるのです。

決して「お仕事をしているから後で」なんて邪険にしない。むしろ場合によっては、上司が相手だとしても「ちょっとすみません、子どもが何か言ってきているので」と待ってもらうべきだと思います。

そのくらい子どもにとって「新しい知識を獲得する」ということは大事なのです。とくに3歳くらいの時期は「なぜなぜ期」といって、子どもは親を困らせるくらい何でも質問してきます。「空はなんで青いの?」とか、「なんで夏は暑いの?」とか。

そんなふうに質問したがるのは、「生きるために必要な知識をいち早く吸収したい」という本能があるからで、それを無視され続けると、この先の人生において「知識を獲得することで自分を成長させよう」という意欲にブレーキをかけることにもなりかねません。

そのことは子どもが小学生になっても、中学生になっても、高校生になっても、大人になってさえも変わりません。私たちは学び続ければ、いつまでも成長できますが、その意欲を失えば、そこで成長は止まってしまうのです。

だからむしろ、子どもの質問に最優先で答えていくことで、自分自身もこれから成長していくということを、大人はぜひ考えてほしいのです。

子と一緒に考え続ける親になろう!

自分自身もこれから成長していくということを考えれば、(2)の「子どもを子ども扱いせず、何も隠さずに、自分の意見を率直に伝える」ということと、(3)の「答えられない質問には、そのことを正直に子どもに言って、自分も子どもと一緒に答えを探し続ける」ということの重要性もよくわかるのではないでしょうか。

世界に興味を持てば、戦争であったり、差別であったり、環境破壊であったりと、解決の難しい疑問は出てきます。それについても隠し立てせず、「自分はこう思う」という意見を、これが唯一の正解だと押し付けるのではもちろんなく、間違っているかもしれないけれど、(親としての)自分の意見だとして、子どもに率直に伝えればいいのだと思います。

「英語の国に生まれたら、こんなに面倒くさい勉強しなくてもよかったのに」と言われたら、「そうだよねえ」「世界の標準語の英語が標準語でない日本に生まれたのは損だよね」と言えばいいのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バーゼル銀行監督委、銀行の気候変動リスク開示義務付

ワールド

訂正-韓国大統領、日米首脳らと会談へ G7サミット

ワールド

トランプ氏、不法滞在者の送還拡大に言及 「全リソー

ビジネス

焦点:日鉄、巨額投資早期に回収か トランプ米政権の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中