最新記事

映画

「史上最高に美しい3D映画になったよ」

2014年11月19日(水)17時26分
大橋希

webent19nov021114b.jpg

新たな挑戦 「初めて人間の感情に正面から取り組んだ」とジュネは言う
© EPITHETE FILMS - TAPIOCA FILMS - FILMARTO - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA

──原作となった小説の魅力は?

映画の題材を探していたときに友人から送られてきたが、読み始めてすぐに夢中になった。僕とラーセンはすごく似ている。ラーセンも「『アメリ』を見た時、自分の頭の中を引っかき回されたような気がした」と言っていた。

 その一方で、彼の『T・S・スピヴェット君 傑作集』を読んだ時、自分にとって新しい事に挑戦できる気がした。英語のせりふ、アメリカの風景、自然、エモーショナルな物語――これまでの自分になかった要素がたくさんあった。それから3D。あの本にはたくさんのスケッチがあって、3Dで浮かび上がらせるにはぴったりだと思った。

──スピヴェット役のカイル・キャトレットを見つけるまでは大変だった?

 かなり時間をかけて、2000〜3000人の子供に会った。シカゴやニューヨーク、ロサンゼルス、モントリオール、オタワ、バンクーバー、ロンドンと、いろんなところでね。

 カイルはスピヴェット役にしては年下過ぎたが、特別なものを持っていた。とても面白い子だし、6カ国語を話せて、子供の武道選手権のチャンピオンで、「必要ならいつでも泣くことができる」と言っていた。「疲れた」とか、文句なんかも全然言わないし、スタントもすべて自分でこなした。

 ただカイルにすると決めてから、実はテレビシリーズの出演契約にサインしていたことが発覚した。エージェントがごまかしていたんだ。でも向こうに優先権があったから、こっちは週末にあわてて彼の分を撮影して、あとの数週間は彼なしで撮影を進める、なんてことをしなくちゃならなかった。

──物語の舞台はモンタナ州なのに、カナダで撮影している。なぜアメリカで撮らなかったのか。

 だってアメリカでは、編集作業の最終決定権を持てないから。僕にとって一番大切なのは、自由な編集権があることだ。だからこれはフランスとカナダの合作にした。偽のアメリカ映画だね。

ただ残念なことに、アメリカでは公開が決定していない。配給会社のワインスタイン・カンパニーと編集権でもめているんだよ!

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イラン、11日に第4回核協議 オマーンで

ワールド

習氏、王公安相を米との貿易協議に派遣=新聞

ビジネス

独首相、EUの共同借り入れ排除せず 欧州の防衛力強

ビジネス

独立したFRBの構造、経済の安定を強化 維持される
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中