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働き方

年収500万円と合計年収500万円、どちらを選ぶか?

2021年9月30日(木)21時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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『普通の会社員のための超副業力』23ページより

シンプルな事例で考えてみましょう。

Aさんは、1社に勤務して年収500万円を得ています。

対するBさん。勤務先の年収は350万円ですが、副業で収入源が二つあり、年間100万円+50万円を稼いでいます。

さて、安定性が高いと言えるのは、「強い個人」だと言えるのは、どちらでしょうか。

もし、二人とも本業を同時に失業してしまったとすると、Aさんはいきなり年収ゼロになってしまいます。

Bさんも、本業を失うダメージが大きいことは変わりませんが、それでも150万円を稼ぐ道が残されています。各仕事における時間の調整などは、Bさんのほうが大変かもしれません。しかし私なら、圧倒的にBさんのほうが強いと考えます。

そう考えるとシンプルな話だと思うのですが、なぜか多くの会社員は、「0か100か」で考えてしまうと感じませんか?

会社に不満が出てきたとき、会社員の多くは「会社を辞めるか、辞めないか」しか考えません。

もちろん、現状では実現できないキャリアや仕事を求めて転職することもあるでしょう。しかし、転職する人全員がポジティブな理由で動いているわけではありません。現状に嫌気が差して会社を辞め、転職した結果、さらに厳しい状況になってしまうというケースも実際にありますよね。

安定した強い個人になるためには本業年収を上げるという観点も大切ですが、私はもう一つの考え方を提示したいと考えています。

それは、本業収入を下げてでも、つまり年収500万円を400万円に下げてでも、もう一つのポートフォリオを作りにいく、ということです。

副業はまさに、もう一つのポートフォリオを作りにいくための挑戦だと言えます。もし時間が足りないと感じるなら、本業を徹底的に効率化して、積極的に残業代をあきらめるべき。3年前の自分にアドバイスができるのなら、私はこう伝えます。

ちょっと刺激的な言い方になってしまうかもしれませんが、ここは本書の中で伝えたいメッセージの一つの肝でもあるので、あえて書きます。

残業は、必要ならばもちろんすればいいのですが、本来は限られた時間の中でアウトプットが出せない人の、最後の選択肢だったはずです。

しかし多くの日本企業では、残業代をインセンティブのようにとらえて依存する会社員が増えてしまっています。仕事をだらだらと、遅く進めるほどもらえるお金が増えるという破綻したインセンティブ設計に、どっぷりと浸かってしまっている。これは、紛れもない事実です。

年収で考えれば、かつての私のように100万円以上を残業代に依存している人もいるでしょう(詳しくは後述します)。仕事を効率化して、その100万円がなくなるのは怖いと思う気持ちもわかります。

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