最新記事

株の基礎知識

なぜ、機関投資家が買った株は上がるのか

2021年1月25日(月)17時05分
石津大希 ※株の窓口より転載

機関投資家の動きをうまく活用するには

単に機関投資家に追随して銘柄を買うのでなく、「機関投資家がどのような見立てを持って投資しているのか」というところまでの理解をある程度つけることができれば、個人投資家にとってのメリットも大きい。

■機関投資家が描くストーリーを垣間見る

たとえば、アメリカの有名なアクティビスト・ファンドであるサード・ポイントは、2013年にソニー<6758>の株を保有し、2014年に売却。その後、2019年に再取得したものの、2020年8月に大量売却したことが明らかになった。

kabumado20210125kikan-chart1.png

2度の株式保有時、同ファンドはソニーに対して、経営改革のため、一部事業の分離を要求している。そして、そうしたことが継続的に報道されるたびにソニーに買いが向かっていき、株価は長期的に上昇していった。

このように継続的な報道があると、機関投資家がきちんと理にかなった見立てのもとで株式投資をしていることがわかりやすい。株価上昇のストーリーを明確にイメージできるので、追随者である投資家にとっての安心材料にもなるだろう。

ほかにも、ファンダメンタルズ分析の知識を学べるとことも利点だ。機関投資家の考えるストーリーや投資先への提案内容などは、いわば「エキスパートのファンダメンタルズ分析&投資手法」だ。その内容を見て、理屈を知ることは、大きな学びになるのではないだろうか。

■なかには説得力に乏しいストーリーも......

一方で、なかには「説得力の弱いストーリー」のもとで株式投資をする機関投資家もいる。わかりやすい例は、2016年8月、アメリカの空売り機関投資家シトロン・リサーチがCYBERDYNE<7779>について公開した、いわゆる「うんこレポート」である。

シトロン・リサーチは主に売り方向の取引をする投資家で、株価下落によって利益を上げようとするファンドだ。同ファンドはサイバーダインに関して「株価は高すぎる」「株式市場を活用した錬金術の勝ち組企業」「UNKO(うんこ)」などと皮肉を交えて評価し、株価の一時的な下落を招いた。

kabumado20210125kikan-chart2png.png

しかし、同ファンドが公開したレポートには株初心者でも疑問に思うような、論理的におかしな点が多く見られ、説得力は高くはなかった。そのため、株価の下落は一時的なものにとどまり、同ファンドが思い描いたストーリーのようには展開しなかった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国債保有増、8割が欧州 25年に「米国売り」見ら

ワールド

米エネ長官、世界の石油生産倍増を提唱 グリーンエネ

ワールド

トランプ氏、JPモルガンとダイモン氏提訴 「デバン

ワールド

仏、制裁対象のロシアタンカー拿捕 西地中海の公海上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 4
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 5
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 6
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 7
    ノーベル賞に選ばれなかったからグリーンランドを奪…
  • 8
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中