最新記事

キャリア

仕事も投資も「アセットアロケーション」でほとんど決まる!

2017年9月27日(水)19時32分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 私は、ビジネスパーソンの時間の振り分け方も、この「アセットアロケーション」と同じだと考えています。

 ビジネスパーソンでいうと、与えられた仕事をどうこなそうかとか、どうやって時間を捻出しようかと考えるのではなくて、どの業界で仕事をするかとか、どの会社に就職するか、もしくはどのプロジェクトに力を注ぐかを考えることが大事だということです。

 戦う場所や勝負すべきポイントがズレていれば、課題解決をどれだけ頑張っても何も好転しないからです。的外れなことにこだわっていても、努力は報われません。

financebook170927-chart2.png

『ファイナンスこそが最強の意思決定術である』より

 ビジネスパーソンが人並み外れた成果を出そうとするとき、手を動かし始めるよりもまず最初にするべきは、「どう戦うか」以前に「どこで戦うか」をきちんと見極めることです。

 そして、自分がこれだと思った方向に周りをしっかりと引っ張っていくことが重要です。

 時間や労力といったリソースは、無限にあるものではなく、限られたものです。だからこそ、最小限のリソースを使って最大限の成果をあげるような仕事の仕方が求められているのです。まさにファイナンスにおける投資の原理のように、限られた時間と労力をどこにつぎ込めばいいのか、判断する力が必要になっているわけです。

 ビジネスの極意は、「労働時間」でも「作業スピード」でもありません。

 限られたリソースをどこに投資するかです。

 つまり、ビジネスは「投資活動」なのです。そして、その投資効果を最大にするためのファイナンスなのです。

 最初のうちは霧がかかったかのように、見えないものがたくさんあるでしょう。しかし、実戦経験を積み重ねていくと、自分が向き合っているビジネスの仕組みが見えてきて、どこに集中するべきなのか、どこがポイントなのかがだんだんと見えてくるようになってきます。

 そして、そんな状況の中でビジネスを劇的に好転させるための本質的な核を突き止めること、それがファイナンスを学ぶことで身につく能力なのです。

※第3回:スティーブ・ジョブズがいつも黒のタートルネックだった理由


『ファイナンスこそが最強の意思決定術である』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国「経済指標と国防費に透明性ある」、米司令官発言

ワールド

ジュリアーニ氏らアリゾナ州大陪審が起訴、20年大統

ビジネス

トヨタ、23年度は世界販売・生産が過去最高 HV好

ビジネス

EVポールスター、中国以外で生産加速 EU・中国の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中