トランプは米国内での自動車工場建設ラッシュを夢見るが...トランプに翻弄される自動車業界の実態
EVからガソリン車へ
一方、多くの自動車メーカーは2020年代前半に掲げたEV生産のための設備投資を後退させ、ガソリンを燃料とする内燃機関車の生産に傾斜している。各社がこの数カ月間で宣伝している設備投資の多くは、バイデン前政権(民主党)時代に誇らしげに発表したEV事業の縮小に他ならない。
例えば米ゼネラル・モーターズ(GM)は今年6月、中西部ミシガン州デトロイトの郊外の工場を改修し、ガソリン駆動のピックアップトラックと高級車ブランド「キャデラック」のSUV「エスカレード」を生産すると発表した。すなわち、この工場をEVピックアップトラックの生産拠点とするために数十億ドル規模を投資すると22年に発表した計画を一部撤回することにほかならない。
コンサルティング会社アリックスパートナーズによると、10年代後半に始まった自動車業界のEVへの大規模な賭けは、バイデン前政権下で工場への設備投資が急増した。GM、米フォード・モーター、「クライスラー」ブランドを抱える欧州ステランティスのデトロイトの伝統的な3社、米EV専業メーカーのテスラ、リビアン、ルーシッド・グループを調査したところ、これらの企業は17年から第1次トランプ政権末期の20年にかけて年間平均約210億ドルを投じていた。バイデン前政権下の21―24年には年間平均約380億ドルに増加し、うち大部分がEVとバッテリーの生産関連だったという
トランプ氏が24年大統領選に勝利する前から、自動車メーカーは予想を下回る需要を理由にEV事業の計画を縮小していた。自動車業界幹部らは、トランプ政権の政策がEVへの関心をさらに冷やすと予想している。






