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「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート代表が語る、持続可能な観光のカギとは?

YOSHIHARU HOSHINO

2025年7月14日(月)16時22分
レジス・アルノー(フランス・ジャポン・エコー編集長、フィガロ東京特派員)

アジア太平洋地域にホテルが数軒あるだけだから、星野リゾートの国際的なブランド認知度はさほど高くない。だが日本に詳しい外国の観光業界関係者の間では、星野は外国人から見た日本の魅力を「本当に分かっている」日本人経営者として知られている。

「彼はこの業界で、最も情熱のある日本人だ。本物のビジョンを持っているのは彼だけだ」と、欧米からの訪日旅行を扱う「ジャパン・エクスペリエンス」のティエリー・マンサンCEOは語る。


オーバーツーリズムの嘘

星野リゾートは、日本の伝統的なリゾート開発業者がほとんど視野に入れていない地域にも開業を続けている。例えば今年1月の朝日新聞によると、広島県の景勝地・鞆の浦沖に浮かぶ仙酔島(せんすいじま)の活用について県と福山市、星野リゾートは基本協定を結んだ。

鞆の浦は、世界的な人気を誇る宮﨑駿監督のアニメ映画『崖の上のポニョ』の舞台となった瀬戸内海の港町。福山市が仙酔島の国民宿舎跡地の開発を公募したところ、応募したのは星野リゾートだけだったという。

こうした運営戦略は、地域の受け入れ能力を超えた訪日観光客の急増、いわゆるオーバーツーリズム(観光公害と表現されることもある)に対処する助けにもなっている。

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