ウーバーは絶体絶命か...テスラの自動運転「ロボタクシー」がいよいよ始動へ、専門家からは「大きな懸念」も
Elon Musk's Robotaxi Threatens Uber
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)で科学技術論を教えるジャック・スティルゴー(Jack Stilgoe)教授は本誌に次のように語っている。
「テスラは10年以上にわたり、自動車の自律走行に関する大規模な実験を続けてきた。まだ多くの検証が必要であり、世論や政策立案者は、可能な限り責任ある形でそれが行われることを望むべきだ。懸念されるのは、テスラが次のフェーズへ急ごうとするあまり、無謀な判断に出ることだ」
「ロボタクシーを機能させるということは、単にソフトウェアとハードウェアをテスラがこれまで示してきた以上の高い信頼性レベルに引き上げるということではない」とスティルゴー教授は述べる。「それ以上に、遠隔操作、カスタマーサービス、駐車場の運用など、地味だが無くてはならないすべてを整える必要がある」
「そしてこれらすべてに、規制当局や自治体、インフラ計画者の協力だけでなく、サービスが提供される地域に暮らす信頼ある利用者と、好意的な市民の存在が求められる」
自動運転車および新興交通技術に詳しい法学者であるブライアント・ウォーカー・スミス(Bryant Walker Smith)氏も「テスラはこれまで、自動運転が可能なシステムを一度も実証していない。6月に"ローンチ"されるというそのシステムは、必然的に極めて限定的なものになるだろう。単純な環境、低速運転、監視付きの運用になるはずだ」
カーネギーメロン大学のクープマン氏も次のように語る。「テスラのFSDは、あらゆる場所でロボタクシーとして機能するには、まだ程遠い。依然として深刻な安全上の懸念が残っている。ロボタクシーでは車内に運転者がいないため、事故が起きた場合の責任も重大だ。テスラはこれを正確に実現する必要があり、技術はいまだ完成途中にある」