米輸入企業がトランプ関税対策で殺到、利用料金が急騰する「保税倉庫」とは
物流調査会社ウエアハウスクオートのソリューション部門担当副社長、クリス・ヒューワルト氏は、CBPへの申請手続きは昨年であれば数カ月で完了していたが、現在は最大6カ月超も滞っていると指摘する。
同氏によると、保税倉庫としての認定を取得するコストは「数千ドルから6桁まで」で、倉庫の所在地や企業の財務状況などによって異なる。
トランプ氏が関税政策を二転三転させているため、保税倉庫の持つ柔軟性は企業にとって魅力的だ。
トレード・フォース・マルティプライヤーの出荷コンサルタント、シンディー・アレン氏は、中国から輸入する多くの企業は保税倉庫を活用してキャッシュフローを支えていると説明。「倉庫から商品を出荷する際には関税を支払う必要があるため、コスト削減になるとは限らない。ただ、販売の都度、小口で関税を支払うことが可能になる」と述べた。
CBPは、新たな規制や大統領令を遵守するために保税倉庫を利用することへの関心が高まっていることは承知しているとした。
ホワイトハウスはコメント要請に即座に応じなかった。
<前例のない倉庫ラッシュ>
ウエアハウスクオートのデータによると、2024年早期には保税倉庫の賃貸料は標準的な倉庫の約2倍だったが、今年に入ると標準的な倉庫の4倍に跳ね上がった。
トレード・フォースのアレン氏は「キャッシュフローを円滑にするために保税倉庫に殺到する現象は前例がない」と語った。