最新記事
起業

大手企業を辞め自身のワインブランドを立ち上げた黒人女性...人種と性別の壁を越え「常識」を壊せ

Art of the Pour

2025年5月23日(金)17時45分
ジャネー・ボールデン
南ア産のワインに魅せられてブランドを立ち上げたベスト

南ア産のワインに魅せられてブランドを立ち上げたベスト JORGE MEZA

<黒人女性のイングリッド・ベストはワイン業界の昔ながらの障壁にぶつかりながらも、「ワインはアート」という哲学の下、ワインを売り続ける>

イングリッド・ベストは過去20年間にわたり、世界のワイン・スピリッツ業界を動かしてきた人物だ。そんな彼女が大手酒造会社バカルディの重役の座を捨て、自分のワインブランド「アイベスト・ワイン」を立ち上げたのは昨年の2月。そこにはワインとアート、そして文化への愛情があった。

アイベストのワインは南アフリカのステレンボスという地域で造られている。創業1年目にして権威ある賞を受賞したほか、アメリカン航空の国際線ファーストクラスで提供されるワインにも選ばれた。


アイベスト・ワインを立ち上げたのは、人生の中でこれまでにない強い思いに突き動かされたからだと、ベストは本誌に語った。「大手ワイン・スピリッツ会社で20年間働いたから、業界についてはよく分かっていた。経営者について(人種や性別の)偏りがあることも。オーナーの中に肌の色が濃い人は少なかった。特にワイン業界では」

ベストは米ニューヨークで生まれ、サンフランシスコ・ベイエリアの文化的に豊かな地域やオークランドで育った。「(ワインの名産地である近郊の)ナパのことは裏庭みたいに思ってきた」と、ベストは言う。「2012年に初めてワイン造り体験イベントに参加したのも、ナパのワイナリーだった。あの時から私はワインのとりこになった」

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

対日関税で米大統領令、自動車2週間以内に15%に 

ビジネス

テスラ、8月の英販売台数が増加 EV市場拡大

ビジネス

午前の日経平均は続伸、一時4万3000円回復 米関

ビジネス

インタビュー:先端素材への成長投資加速、銅製錬は生
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 9
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中