あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに トランプ関税がトドメ刺す

Americans Are Losing Interest in Buying a Car

2025年5月7日(水)19時12分
ジュリア・カルボナーロ

そのせいもあってアメリカでは運転が生活の一部として根付いてきたが、近年ではその「当たり前」にも異変が起きている。2024年末に発表されたピュー・リサーチ・センターの調査によると、アメリカ人の約1割が車をほとんど、あるいは全く運転しておらず、6%は「まったく運転しない」と回答した。

運転しない人の割合は都市部で特に高く、18%にのぼった。これは郊外(6%)や地方(8%)の2倍にあたる。また、低所得世帯(19%)、黒人世帯(21%)、30歳未満(15%)でも運転しない人の割合が高い傾向がある。

こうした層では、車の購入が経済的に難しい場合も多いが、若い世代においては「車を持たない」という選択そのものが支持されつつある。

米運輸省のデータによれば、1983年から2022年の間に16歳の運転免許取得率は約半分から4分の1に減少。また、18歳の取得率も80%から60%に下がっている。

2022年時点での免許保持者の世代別内訳は、Z世代が12.4%、ミレニアル世代が25.9%、X世代が28.2%で、若い世代ほど比率が下がる。

ハリス・ポールと共同で調査を行ったマンガハス氏は「特にZ世代とミレニアル世代では、車を持つことが夢ではなくなっている」と指摘する。調査では、Z世代の58%、ミレニアル世代の56%が「2025年には車を買うまたはリースする代わりに別の手段を検討する」と回答した。

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