最新記事
日本市場

任天堂などコンテンツ株に脚光...ディープシーク波乱で際立つ強さ

2025年1月30日(木)16時42分
東京証券取引所(東証)

1月30日、ディープシーク・ショックに揺れた東京市場では、任天堂やサンリオといったコンテンツ関連株の強さが際立つ。写真は、東京証券取引所(東証)。1月6日、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

ディープシーク・ショックに揺れた東京市場では、任天堂やサンリオといったコンテンツ関連株の強さが際立つ。需要が景気に左右されにくいと一般的にみられている上、日本が強みを持つ産業の一角として将来の成長余地も見込まれており「ディフェンシブ・グロース」の性格を持つ銘柄群としての認識が広がってきている。

ディープシーク・ショック下での物色動向について、岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部部長は「半導体関連株は先が読みにくくなり、コンテンツ株への資金シフトが生じた」と指摘する。


中国の新興企業ディープシークによるAIモデルの台頭を受けて株式市場の波乱が強まった週明けの2日間に、日経平均は2.2%安となった。アドバンテストの18%安、東京エレクトロンの10%安などAI人気で買われてきた銘柄群の下落が目立った。

対して同期間のTOPIXは0.2%高となり、半導体株から他セクターへの資金シフトがうかがわれた。東証33業種別の上昇率の上位は、不動産4.7%、陸運3.4%、銀行3.3%などが並んだ。このうち不動産は「ショック時には公益関連株が選好されやすいが、電力株がAI関連と目されていただけに目が向かったのではないか」とアセットマネジメントOneの浅岡均ストラテジストはみている。銀行は前週末の日銀による利上げ後でもあり、買いが入りやすかった。

一方、上昇率4位には「その他製品」が2.6%高でランクイン。同セクターに分類される任天堂が3.6%高、バンダイナムコホールディングスが3.5%高となった。他のセクター内でも、ソニーグループの3.2%高、東宝の2.4%高、サンリオの1%高などコンテンツ関連と目される銘柄の上昇が目立った。総じて日経平均に対し逆行高となった上、TOPIXの上昇率を上回った。

要因の一端を担うのが、そのディフェンシブ性との見方がある。足元でくすぶる複数のリスク要因への耐性が意識されている。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB追加利下げは慎重に、金利「中立水準」に近づく

ビジネス

モルガンS、米株に強気予想 26年末のS&P500

ワールド

ウクライナ、仏戦闘機「ラファール」100機取得へ 

ビジネス

アマゾン、3年ぶり米ドル建て社債発行 120億ドル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中