投資家が「円売り解消」に殺到...日銀「タカ派姿勢」で局面変化
イーストスプリング・インベストメンツの債券チームのポートフォリオマネジャー、ロン・レン・ゴー氏は「ドル/円のテクニカル指標が反転した。日銀が明確にタカ派姿勢を強めたことで、市場は利上げの有無ではなく利上げ幅に焦点を絞るようになった」と述べた。
市場のポジションは依然として円売りに傾いているため、ゴー氏は円の一段高を見込んでいる。
もちろん、円安の継続を予想させるファンダメンタルズ面の材料もある。日本の政策金利は米国より約500ベーシスポイント(bp)も低く、市場予想では1年後でもその差は300bpを超えている見通しだ。
しかし、前回円のキャリートレードが巻き戻された1998年を覚えている投資家は、数週間のうちに1ドル=147円から同101円まで円高が進んで痛手を被った恐怖を思い出し、円売りから逃げ出している。
メイバンク・セキュリティーズ(シンガポール)のタレック・ホーチャニ氏は、ヘッジファンドは正面から円を売る取引を避け、オプションを通じてボラティリティーのさらなる上昇に賭けると予想した。.
ステート・ストリート銀行東京支店の若林徳広支店長によると、レバレッジを掛けていない投資家が、ここ数週間で円に資金をつぎ込み、過去5年間で最も極端な流入になっている。資金運用担当者が、アンダーウェートにしていた円のポジションを中立に戻しているからだという。
若林氏は「(円は)200日移動平均を突破した。(中略)従って、テクニカル的にこれまでとは異なる局面が生じた可能性がある」と語った。


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