最新記事
BOOKS

分からなくても「毎朝15分」難しい本を読むことで起きたこと...人生を変える読書術

2023年4月4日(火)08時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

起きてスマホはやめて、15分読書した結果

寝起きにふとんの中でスマホをいじるのは、一日の始め方としては最悪の選択だ。

186ページより

身に覚えがある人が多いのではないだろうか? スマホのアラームで起きる。そのまま画面をスクロールしているうちに徐々に覚醒し、気が付けば布団から出る時間になっていた。そしてしばらくして、自己嫌悪に陥る。

朝見ていたコンテンツがすでに思い出せない。大した情報ではなかったせいかもしれない。不毛な時間を過ごしてしまった、と。

こうしたことが起こるのは当然だ。人の時間というもっとも重要で限りある資源を企業が奪い合っているのが現代だからだ。それならば、あえて朝のスマホをやめてみる。それだけで、あなたの人生が変わるかもしれない。

実際、毎朝15分の読書を長年続けてきたことで、自分の人生は変わった。人生が立ち行かなかったとき、毎朝15分、ヘーゲルの『精神現象学』を読んでいた。分からなくてもいい。〈自分を世界につなぎとめる。書物で世界につながる〉。そうすることで、〈自分で自分を、小さく承認できる〉。自身のエピソードとともに、近藤氏はそう説いている。

(略)同じ中毒になるなら活字中毒になりたいと、わたしは思う。(略)
 今日も自分は生きている。世界は壊れていない。そんな驚きと喜びで、一日を始めたい。夜のうちに枕元に本を置いておき、目が覚めたら、寝ぼけまなこでページを繰る。

187ページより

SNSやアマゾンにネガティブレビューを投稿する前に

その内容からひとつだけ、難しい本、分からない本への向き合い方について紹介しておきたい。

近藤氏は、「分からない」が世界を切り開くと考えている。逆に「分かる読書」とは、究極的にこういうことかもしれないからだ。

 そもそも、世の中に分かりやすい文章、やさしい文章など、ない。分かりやすい文章とは、読者が分かる範囲で読んでいるだけだ。やさしい文章とは、読者が自分のレベルに引き下げて、やさしく読んでいるだけなのだ。

111ページより

自分が理解できないような本にも挑戦してみたい。しかし、分からないことがこわい。分からないことで自信を失ってしまう。場合によっては、アマゾンなどのネットレビューで「結論が分からない」「つまらない」などと一刀両断する。そういう人こそ、臆せず難解な書物に挑戦してほしい。

分からなくても恥じることはないのである。それよりも、分からないという実感を得ることこそが大切なのだ。そのうえで、分からないという実感を味わい尽くし、自分の糧にする方法を多数紹介している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、10日に有志連合首脳会議を主催 仏

ワールド

中国商務相、ロシア経済発展相と会談 経済・貿易を巡

ワールド

ブラジル大統領、トランプ関税を非難 プーチン氏との

ワールド

米中、一時的関税停止の可能性 週末の高官協議=スイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中