最新記事

ビジネス

まずは「相手を統制する」という考えを手放そう...「やる気に満ちたチーム」の実現法

2022年9月15日(木)18時35分
flier編集部

一方、現場の社員は、通勤が減って職場と家の区切りをつけにくくなり、家族との時間が増えました。組織と距離ができたことで、「なぜこの会社にいるのか」と、自身の生き方を問い直しはじめたのです。

一番大変なのが、経営者と現場の社員にはさまれている中間管理職やリーダー層です。トップからの数字への圧力とメンバーの意識変革のギャップに悩んでいます。しかも、その葛藤は周囲の人には見えづらい状況にあります。

組織をコントロールすることができなくなった環境下で大事なことは何か。それは、トップや管理職層が監視や指示をしなくても社員が自律的に考えて、協力しながら行動する「自走する組織」を築くことです。

これまでも「自走する組織」は、一部の組織では実現されていました。海外ではW.L.ゴアやセムコなど有名ですし、国内でも「日本経営品質賞」を受賞する企業などの多くはそうですね。

ただし「自走する組織」の実現には、経営者の強い信念に基づく、粘り強い努力が必要でした。経済的なコストを考えると「管理する組織」のほうが有利だったのです。

ですが、工業社会から知識社会への移行にともない、あるべき組織像が変化してきました。特にコロナで「働き方の自由度」が一気に高まったことで、一人一人が主体的に動き、協働・共創することが不可欠になりました。いまや「自走する組織」はオプションではありません。組織変革の成否が、繁栄と衰退をわける分水嶺となってきたのです。

ここで、ひとつ大切なことがあります。「組織の経営」と同じく「組織の変革」も、これまでのように「全社を一斉に変革する」というウォーターフォール的なアプローチが効かなくなりました。人事部がいくら変化を呼びかけても、社員は「この忙しいときに、さらに仕事をさせる気か」となかなか反応してくれないということです。

組織変革においても大切なのは自律性です。「チームをもっとよくしたい!」と思う社員を応援し、その情熱の輪を広げていく、いわば「アジャイル型の組織変革」が効果的になってきたことです。ひとりから、チームを変え、組織を変える。トップや人事部の役割は、ボトムアップからの変革を全力で応援すること。そういう時代になったのです。

flier_inv207A_1269_20220824100848.jpg

出典:hintゼミスライド「インサイド・アウト」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アンソロピック、リスク指定で売上高数十億ドル減も 

ビジネス

Linux企業SUSE売却をEQTが検討、最大60

ビジネス

シンガポール取引所、アジア国債先物を上場へ 地政学

ビジネス

G7内での国際協調に向け、今後も「必要に応じて会合
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目のやり場に困る」密着ウェア姿がネットを席巻
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ル…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    プーチンに迫る9月総選挙の暗雲
  • 10
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中