最新記事

経済制裁

G7がロシア産原油の段階的禁輸表明 米はガスプロムバンク幹部に制裁

2022年5月9日(月)08時42分
ロシア・ボルゴグラードの製油施設

主要7カ国(G7)首脳は、ウクライナ侵攻を受けた制裁措置として、ロシア産原油輸入の段階的廃止や禁止に向けて取り組むと表明した。ロシア・ボルゴグラードの製油施設で4月撮影(2022年 ロイター)

主要7カ国(G7)首脳は8日、ウクライナ侵攻を受けた制裁措置として、ロシア産原油輸入の段階的廃止や禁止に向けて取り組むと表明した。

首脳らはこの日、ウクライナのゼレンスキー大統領を招いてオンライン会議を開催。同国への支援やロシアのエネルギー部門などを対象にした追加措置について協議した。

共同声明で「ロシア産原油輸入の段階的廃止や禁止などにより、ロシアのエネルギーへの段階的な依存脱却を目指す。タイムリーかつ秩序立った方法でこれに取り組む」と表明した。

安定的で持続可能なエネルギー供給の確保に向けて、取り組むとともにパートナーと協力することも表明した。

さらに、ロシアを一段と経済的に孤立させ、プーチン大統領を支持するエリート層への対抗措置を「強化」する方針も示した。

米国は、ロシアのテレビ局3社に対する制裁措置を発表したほか、米国人がロシア人に会計やコンサルティングサービスを提供することを禁止。ロシアとベラルーシ当局者に対するビザ規制も導入した。

米財務省の声明によると、ガスプロムバンクの幹部らが制裁の対象となった。

米国や同盟国は、これまでロシアの主要顧客である欧州へのガス供給の混乱につながりかねない対応を避けており、ガスプロムバンク幹部に対する制裁は、ロシア国営エネルギー大手・ガスプロムに関わる初の措置となる。

米政府当局者は、資産凍結や取引禁止といった全面的な措置ではないとした上で、ガスプロムバンクが安全な逃避先ではないことを示す狙いがあると述べた。

このほか、ロシア最大手行・ズベルバンクの幹部8人も制裁対象に加えれらた。

輸出規制の対象も、工業用エンジンやブルドーザー、モーターなどに拡大し、ロシアの戦力に直接打撃を与えることを目指す。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、政策決定で政府の金利コスト考慮しない=パウ

ビジネス

メルセデスが米にEV納入一時停止、新モデルを値下げ

ビジネス

英アーム、内製半導体開発へ投資拡大 7─9月利益見

ワールド

銅に8月1日から50%関税、トランプ氏署名 対象限
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い」国はどこ?
  • 4
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 5
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 6
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 9
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中