最新記事

ビジネス

人を動かすには付きものの「4つの壁」と、その乗り越え方を知る

2022年4月5日(火)18時21分
flier編集部

そうですね。ある会社の創業役員を務めていたときのこと。当時の僕は、オフィスの真ん中で誰かと言い争いをするようなこともしばしばあったのですが、売り上げを上げていたからか「ダメですよ」と言ってくれる人はいませんでした。

組織の人数は、毎年倍々のペースで増えていき、正直なところ自分のマネジメントスキルがまったく追いついていませんでした。そしてあるとき何もかもうまくいかなくなったんです。

途方に暮れていたら、あるメンバーが「高橋さん、自分のマネジメントがまわりにどう思われているか知りたいですか?」と声をかけてくれました。

藁にもすがる思いで「教えてください」と答えたら、そのメンバーから、僕を含めた数人に「KYマネジメントへの意見募集」というメールが届きまして......(笑)。

── ストレートですね(笑)。

はい(笑)。でもみんなから届いた意見は、ごくまっとうなものでした。

みんなの意見を読んで自分の愚かさに気づき、翌週の営業会議で「もしかしたら僕は間違っていたのかもしれません。みんなの話を聞きたいです」と言ってみたことをきっかけに、まわりとの関係性が少しずつ変わっていきました。異を唱えてくれた人がいたからこそ、「このままじゃいけない」という気づきを得られたんです。

── 壁を乗り越えて、ご自身だけでなく、周囲との関係性も変わったんですね。

仲が深まりましたね。このときの仲間だけでなく、いま一緒に仕事をしているパートナーの方たちの多くとも、「壁」を乗り越えて、いいお付き合いができています。

壁を乗り越えると、相手と一緒に爽快な景色を見ることができます。その景色は、壁がないと見えなかったもの。「壁は必ずしも悪いものじゃない」というのも、本書を通して伝えたいメッセージです。

上司にプレゼンする前に考えておくべき3つのポイント

── 「人を動かす力」はあらゆる場面で必要ですよね。

本書では、「上司や社内の承認を得る」「社内外に協力を依頼する」「メンバーを指導する」「社内外の相手と交渉する」「お客様に提案する」の5つの「人を動かす場面」を取り上げています。

こうした場面で、多くの人は、自分が欲しい結論ありきで考えるはずです。プレゼンもそうですよね。今回のゴールは上司の承認を得ることで、そのために必要な情報は......と。

これはこれで必要な作業でしょう。ただこれにプラスして「ここに相手が異を唱えるとしたら?」という視点での検討も必要だと思うのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中