最新記事

ビジネス

理解を求めるか、興味をもたせるか、「説明」は状況によって「型」を使い分けよ

2022年4月28日(木)17時26分
flier編集部

オンライン商談・プレゼンが上手くいくための3つのポイント

井手 説明にはいろいろなシチュエーションがありますが、最近ではオンライン商談が上手くいかないというお悩みが多いように思います。

犬塚 あらゆる業種・業態の企業からまさにそうした相談を多く受けているところですね。私自身は東京大学大学院・情報学環・学際情報学府で認知科学の研究をしていましたが、オンラインだと相手との信頼関係が非常に築きにくいことが研究からわかっています。

井手 オンラインで商談をした相手ってどうしても顔と名前が覚えられないんですよね。まさにそこなのかなと思います。

犬塚 リアルの場であれば、全身の動きや身振り手振りなどに加え、場所の紐づきもあるので記憶に残りやすい。しかし、オンラインだと入ってくる情報が限定的になってしまいます。ZOOMの打ち合わせでは胸から上の情報しか入ってこない。おのずと相手の情報が不足してしまうわけです。

井手 今回はそんな課題のあるオンライン商談・プレゼンを成功させるための3つのポイントを紹介していただきます。まず1つ目をお願いします。

犬塚 1つは冒頭で「自分をわかりやすく説明すること」です。自分の情報というのは自分が思っている以上に相手には伝わらないので、信頼関係の形成を目的として、自分説明をすることが重要なスキルになってきます。

具体的には次の4つのステップになります。まず現在自分がやっていることを伝え、その後に今までの経歴を話し、さらにこれからやっていきたいことを話します。そして最後に、「今後はあなたとこういうことをしていきたい」という相手に対する貢献を伝えます。このプロセスを踏むことで、自己紹介ができるだけでなく、相手に自分が関与しているんだということも話の流れで伝わります。

リアルの場だと名刺交換や手土産を渡すという物理的な交換行為で関係性が生まれていたのですが、オンライン上ではそれが生まれにくい。だから自分説明でそれを補うことが非常に重要になります。詳しくは本書の第13章の「『自分説明』の型」で解説しています。

井手 打ち合わせの前後のエレベータートークのようなものもオンラインではありませんから、納得です。では2つ目のポイントをお願いします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア西部2州で橋崩落、列車脱線し7人死亡 ウクラ

ビジネス

インフレ鈍化「救い」、先行きリスクも PCE巡りS

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 5
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 8
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中