最新記事

経済制裁

SWIFT排除の制裁、ロシア経済に壊滅的打撃となるか

2022年2月28日(月)13時59分

ロシアは、SWIFTに代わる独自の決済網「SPFS」を構築している。中銀によると、2020年時点でロシア国内の決済の約2割に当たる約200万件のメッセージがやり取りされており、2023年にはこの割合を3割に増やしたい意向だ。

だが、SPFSはメッセージのサイズに制限があり、営業日にしか稼働しないため、外国銀行の加盟は進んでいない。

金融版の核兵器

ロシアの銀行をSWIFTから排除することは、苦渋の決断だった。

過去数日間、ウクライナは西側諸国に排除を要請し、英国などの国々は賛意を示したが、ドイツなどの国々は自国の経済や企業への影響を懸念していた。

フランスのルメール経済・財務相は25日、SWIFTからのロシア排除は「金融版の核兵器」だと発言。「あなたがもし核兵器を手にしていたら、使う前によく考えるはずだ」と記者団に述べた。

しかし、ロシア軍がウクライナの首都キエフへの攻撃を開始し、外交的解決の希望が薄れると、潮目は変化した。

ドイツは26日に態度を軟化させ、「巻き添え被害」の抑制に務めながらロシア銀をSWIFTから排除する方法を探る姿勢を示した。

金融情報の訓練に携わるマンチェスター氏によると、一部の銀行だけを排除の対象とした場合、ロシアの銀行は制裁対象から外れた銀行や多国籍のグローバル行を介して国際金融システムにアクセスする「ネスティング」と呼ばれる迂回手段を使うとみられる。

グローバル行は、自行が支援している取引が西側の制裁措置に抵触していないことを確かめる必要が生じ、コンプライアンス(法令順守)上、頭の痛い問題を抱えることになる。

マンチェスター氏は25日、あるグローバル行の金融犯罪部門から相談を受けた。こうした銀行は、うっかり制裁に抵触してしまうと重い罰金を科される恐れがあるため「最新の動向を理解するための勉強に余念がない」とマンチェスター氏は述べた。

(Catherine Belton記者、 Paritosh Bansal記者、 Megan Davies記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ウクライナ危機で分断される欧州 米と連携強める英 宥和政策の独 独自外交唱える仏
・【ウクライナ侵攻軍事シナリオ】ロシア軍の破壊的ミサイルがキエフ上空も圧倒し、西側は手も足も出ない
・バイデン政権、ロシアのウクライナ侵攻準備を懸念「偽旗作戦の工作員が配置された」


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪CPI、1月は前月比0.4%上昇 コアインフレ加

ビジネス

1月企業向けサービス価格、前年比2.6%上昇 前月

ワールド

中国春節の9連休、国内旅行と消費支出を押し上げ

ビジネス

グーグル、データセンター向けに米電力会社2社と契約
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 8
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 9
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中