最新記事

クラウド

米国防総省、マイクロソフトとの大型クラウド契約を解約 アマゾンなど含めて新規公募へ

2021年7月7日(水)08時26分
マイクロソフトのロゴ

米国防総省は6日、トランプ前政権時代に米マイクロソフトと契約した総額100億ドルの大型のクラウド契約を解約すると明らかにし、代わりに米アマゾン・ドット・コムなどの競合社を含む複数の企業が参画する新たな計画を発表した(2021年 ロイター/Lucy Nicholson)

米国防総省は6日、トランプ前政権時代に米マイクロソフトと契約した総額100億ドルの大型クラウド契約を解約すると明らかにし、代わりに米アマゾン・ドット・コムなど複数の企業が参画するとみられる新たな計画を発表した。

同プロジェクトは「JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)」として知られる大型クラウド事業。2019年末にマイクロソフトが契約を獲得したが、アマゾンが訴えを起こしたことを受け、保留されていた。当時、トランプ氏はアマゾンを繰り返し批判していた。

国防総省はこの日、要件を満たせるのはマイクロソフトとアマゾンしかないとの見解を当初示したが、その後、政府の要件を満たせる場合、向こう3カ月で他のクラウドサービス提供業者にも対象を拡大すると表明した。

他のクラウド大手としては米オラクル、米アルファベット傘下のグーグル、米IBMなどがある。

新たなプロジェクト名は「JWCC(Joint Warfighter Cloud Capability)」で、22年4月までに業者を選定したい考え。

国防総省のジョン・シャーマン最高情報責任者代行は、マイクロソフトとアマゾンはいずれも契約を受注するだろうとの見方を示した。

マイクロソフトは声明で、国防総省の新たなプロジェクトの契約を獲得できると確信していると述べた。

アマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は「(当初の契約は)提案の利点に基づかず、政府調達にふさわしくない外部の影響力によるものだった」とし、国防総省の解約決定を支持すると表明。その上で、同省の近代化に向けた取り組みを引き続き支援していく考えを示した。

国防総省の発表を受け、米株式市場でマイクロソフトとアマゾンはいずれも終値での最高値を更新。アマゾンは4.7%上昇した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バングラ総選挙、来年2月に前倒しの可能性 ユヌス首

ビジネス

ユーロ高大きく懸念せず、インフレ下振れリスク限定的

ワールド

G7、ロシアに圧力強化必要 中東衝突は交渉で解決を

ワールド

米ミネソタ州議員銃撃、容疑者逮捕 標的リストに知事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中