最新記事

投資

ビットコイン乱高下 意外にも「ジェットコースター」楽しむ個人投資家も

2021年5月25日(火)09時44分
ビットコインとドージコイン

ブルヤン・ベッテンコートさんは目覚めるなり、自分の暗号資産(仮想通貨)ポートフォリオが久々の大打撃を食らっているのを知った。何をすべきかは分かっていた。買い足すのみだ。写真はイメージ。20日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

19日朝、ブルヤン・ベッテンコートさん(32)は目覚めるなり、自分の暗号資産(仮想通貨)ポートフォリオが久々の大打撃を食らっているのを知った。何をすべきかは分かっていた。買い足すのみだ。

「暗号資産投資は気の弱い人向きじゃない」とトロント在住のベッテンコートさんは話す。フォトグラファーの彼は、ここ1年半の間にビットコインとイーサ(イーサリアム)を買い、自身の株式ポートフォリオを補完した。「(暗号資産は)本気の長期投資だと思っている」

電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のツイートや中国当局の規制が原因となり、暗号資産はこの1週間で暴落した。ビットコインは一時30%下落し、年初来高値からは40%ほど下げている。

調査会社バンダ・リサーチによると、ビットコインとイーサの先物ポジションは先週急減した。一部の個人投資家が投資から撤退したことを示す兆候だろう。

バンダの調査担当者らは「暗号資産バブルがはじけ始めた。複数の取引所のデータからは、個人投資家が白旗を揚げている様子がうかがえる」と述べた。

一方で、この荒波を楽しんでいる個人投資家もいる。

オンライン掲示板レディット内の投資フォーラム「ウォールストリートベッツ」では、良い時も悪い時もしっかりと資産を持ち続ける投資家を表す言葉として「ダイヤモンド・ハンド」という表現が流布した。

秋に暗号資産関連の著書を出すイーサン・ロウ氏は語る。「今回のような事が起きると、暗号資産の世界ではこう言う。『弱い奴らや、ニュースで見て買ったような奴らが全員振り落とされるぞ』」

暗号資産取引所、コインベースのデータによると、個人投資家が暗号資産に殺到したことで、ビットコインは昨年約345%、イーサは1219%、ドージコインは実に1万5480%も上昇した。

コインベースの第1・四半期の取引総額は3350億ドル(約36兆5000億円)で、内訳は個人投資家が1200億ドル、機関投資家が2150億ドルだった。前年同期には総額が300億ドルで、うち個人投資家は120億ドルだった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相、ガザへ「強力な」攻撃指示 即座に空

ビジネス

米CB消費者信頼感、10月は6カ月ぶり低水準 雇用

ワールド

米テキサス州、鎮痛剤「タイレノール」製造2社提訴 

ワールド

米中首脳、フェンタニル規制条件に関税引き下げ協議へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 4
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 5
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 6
    「ランナーズハイ」から覚めたイスラエルが直面する…
  • 7
    「何これ?...」家の天井から生えてきた「奇妙な塊」…
  • 8
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 9
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中