最新記事

中国経済

中国の金採掘会社、南米や西アフリカで資産買い漁り

2021年3月6日(土)12時07分

赤峰黄金はロイターへの声明で、オーストラリアやカナダといった先進国への投資について、資産が西アフリカや南米よりも10-30%ほど割高な上、発展途上国の鉱山会社の方がより速く買収手続きを進められるため、「積極的には行っていない」と説明した。

赤峰黄金は、中国企業が海外で資産を買収する際の有利な条件の1つとして国家による資金提供を挙げ、ビビアニ金鉱は「完全に競争力のある価格」で取得できたとの見方を示した。

金相場上昇で買収額も膨張

中国は南米でもM&Aを拡大している。中国の産金大手、紫金鉱業は昨年、5カ月の間にガイアナ・ゴールドフィールズと、コロンビアを中心に金鉱を運営しているコンチネンタル・ゴールドを相次いで買収した。

紫金鉱業はガイアナ・ゴールドフィールズ買収で、シルバーコープの提案を35%上回る価格を提示。コンチネンタル・ゴールド買収では29%のプレミアムを支払った。

紫金鉱業はこの報道に関するコメント要請に返答しなかった。

こうした買収価格は金相場の大幅な上昇を反映している。金は昨年8月に過去最高値を更新、今年は約25%値上がりしている。

カナダの産金大手エンデバー・マイニングは昨年11月にテランガ・ゴールド買収で5.1%のプレミアム支払いに合意するなど買収を積極的に進めたが、その後は株価が低迷している。

西アフリカの産金会社幹部は、中国企業は動きが速く、資金の調達が容易だと指摘。「企業価値の2倍を支払っても気にしない誰かと入札で競争しているようなものだ。彼らは買収を続ける」と語った。

リフィニティブのデータによると、中国の鉱業会社は昨年、中東・アフリカの産金会社・資産の買収に合計で4億5200万ドル(約488億1600万円)を費やした。これは中国の海外でのM&A支出総額の約60%を占め、同地域における市場シェアは14年以降で最高となった。リフィニティブのデータはアフリカと中東の数字を分けていない。

(Helen Reid記者、Kane Wu記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米下院議長、政府閉鎖回避「確信ない」

ビジネス

アップル、1─3月売上高見通し堅調 アジアでiPh

ワールド

米ダウが4500人削減へ、第1四半期売上見通しは予

ワールド

トランプ氏、30日朝にFRB議長の人事を発表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    致死率高い「ニパウイルス」、インドで2人感染...東…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中