最新記事

米中対立

米当局、対中制裁強化 スマホメーカーのシャオミなど軍関連企業に指定

2021年1月15日(金)11時14分

米商務省は14日、中国政府の南シナ海での強硬姿勢を支援しているとして、石油大手の中国海洋石油集団(CNOOC)を事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に追加すると発表した。香港で2017年3月撮影(2021年 ロイター/Bobby Yip)

米商務省は14日、中国政府の南シナ海での強硬姿勢を支援しているとして、石油大手の中国海洋石油集団(CNOOC)を事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に追加すると発表した。

トランプ政権はこのほか、投資禁止の対象となる中国軍関連企業に、スマートフォンメーカーの小米(シャオミ)など新たに9社を指定した。中国当局者へのビザ発給制限も発表するなど、政権交代直前に中国に対する制裁を強めた。

航空機メーカーの中国商用飛機(COMAC)も軍関連企業に指定した。指定された企業は米国の新たな投資禁止措置の対象となり、米投資家は2021年11月11日までに該当企業の証券を売却することが義務付けられる。

国務省高官は、トランプ大統領が退任する1月20日までに、中国軍関連企業がこれ以上追加される可能性は低いとの認識を示した。

ロス商務長官は「中国の南シナ海での無謀かつ好戦的な行動と軍国化に向け機密性の高い知的財産・技術を取得しようとする積極的な動きは、米国および国際社会の安全保障に対する脅威だ」と述べた。

また、CNOOCについて「人民解放軍のために隣国を脅すいじめ役」になっていると批判した。

政権高官によると、CNOOCに対する措置は原油、精製燃料、液化天然ガス(LNG)には適用されず、南シナ海で操業しない既存合弁事業も対象外となる。

商務省はまた、中国の北京天驕航空産業投資(スカイリゾン)を「軍事エンドユーザー・リスト」に追加し、米輸出品へのアクセスを制限するとした。同社は航空機エンジンなど軍事製品の開発が可能という。

一方、ポンペオ国務長官は、中国国有企業の幹部や共産党および海軍の当局者に対しビザ(査証)発給制限を実施すると発表。「米国は国際法に沿って南シナ海で自国の主権と権利を守ろうとする国々を支持する」と表明した。

対象者は「南シナ海における係争中の前哨基地の大規模な埋め立て、建設、軍事化、および同地域で領有権を主張する東南アジア諸国による海底資源へのアクセスを阻止するよう中国が圧力をかけたことに責任のある、または加担した者」という。また、制限は近親者にも適用される可能性があるとした。

在米中国大使館は取材に対し、中国外務省が1月7日に出した声明を参照するよう促した。同声明は「経済・通商問題に政治・イデオロギー的ラベルを貼り、安全保障の名の下に国家権力を外国企業の弾圧に利用している」と米政府を非難していた。

*内容を追加します。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、数日以内にホルムズ海峡巡る関与要請 NATO事

ワールド

イラン、ホルムズ海峡の通過船舶を1日15隻に制限─

ビジネス

米2月PCE価格指数0.4%上昇、伸び加速

ビジネス

米新規失業保険申請、1.6万件増の21.9万件 一
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 3
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 4
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 5
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 6
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 7
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 8
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 9
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 10
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中