最新記事

新型コロナウイルス

トランプ、経済再開へ指針公表 各州にそれぞれの状況に合わせ3段階アプローチ提言

2020年4月17日(金)11時25分

トランプ米大統領は新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている米経済の再開に向けた指針を明らかにし、各州は状況に応じて住民の職場復帰で段階的なアプローチをとるべきとの考えを示した。ホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領は16日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている米経済の再開に向けた指針を明らかにし、各州は状況に応じて3段階で封鎖措置の解除を進めるべきとの考えを示した。

トランプ氏はホワイトハウスで行った記者会見で、州知事はそれぞれの事情に合わせて方針を調整することが可能とし、封鎖継続が必要な場合はそうすべきだと指摘。「一斉に再開するわけではなく、慎重に一歩ずつ行う」と述べた。

その上で「ロックダウン(封鎖)の長期化で米経済が不況に陥れば、公衆衛生に計り知れない広範な影響が及ぶ」とし、薬物乱用やアルコール依存症、自殺、心臓病の急増につながる恐れがあるとの見解を示した。

指針は各州に対し、3段階の経済再開プロセスを開始するにあたり、新型コロナ感染者の「減少傾向」が14日間続く状況を目安にすることを提言。封鎖措置を緩和する前に、病院が医療従事者への抗体検査を含む「強力な検査プログラム」を備えるべきだとした。

また、州は新型コロナの感染症状がみられる人や濃厚接触者を対象としたスクリーニング・検査施設が設置できる体制を整え、医療機関は独自に防護具の供給や感染者急増への対応が可能であるべきだとした。

経済再開の第1段階では、社会的距離に関する適切な措置が実用的でない場合、10人以上の集会は回避すべきで、不要不急の外出は最小限にし、在宅勤務が奨励されるほか、オフィスの共用エリアは閉鎖すべきとした。

学校の休校は継続すべきだが、映画館、レストラン、スタジアム、礼拝所などの大型施設は「物理的距離に関する厳格な措置」をもって再開することが可能とした。

病院は選択的な外科手術の再開が可能で、ジムも新たな措置を講じた上で再開が可能という。バーは閉鎖継続を提言した。

第2段階については「(感染)再急増の兆候がない」州・地域に適用できるとし、社会的距離に関する措置が実用的でない場合、50人以上の集会を回避するよう提言。不要不急の外出や学校再開を認める。

第3段階では職場の人員配置に関する制限を解除する。

ホワイトハウス当局者は指針について、保守的だと述べ、大統領の新型コロナ対策チームの医療専門家らが合意した内容だと明らかにした。

トランプ氏は経済再開を巡り、決定権は州知事ではなく自身にあると述べ、知事らと対立していた。

トランプ氏は、条件を満たす州は17日から経済再開に向けた第1段階に移行することが可能だとし、約29州が間もなく経済を再開できるとの見方を示した。

野党民主党のペロシ米下院議長は、ウイルス検査は経済再開のカギになると主張。「ホワイトハウスのあいまいで一貫性に欠く説明文書は、大統領が、科学者の意見を聞き入れ全土で迅速なウイルス検査を行うということを怠ったことに対して、何の埋め合わせにもなっていない」と批判した。

オバマ前政権で、エボラ熱対策を統括したロン・クレイン氏はツイッターへの投稿で「これは計画ではない。単なるパワーポイント(プレゼンテーション)だ」と批判。ウイルス検査体制強化に向けた準備や、経済再開の条件とする感染状況に関する具体的な基準が盛り込まれていないと指摘した。

*内容を追加します。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・政府の新型コロナウイルス対策正念場 緊急事態宣言を全国に拡大、一律10万円現金給付へ
・トランプ「新型コロナウイルス、武漢の研究所から流出したものか調査中」
・韓国、新型コロナ自宅隔離者の無断外出が続出 犯罪者のような電子リストバンド装着へ
・イタリア、新型コロナウイルス新規感染者は鈍化 死者なお高水準


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界秩序は変化「断絶ではない」、ECB総裁が加首相

ビジネス

シティ、3月も人員削減へ 1月の1000人削減後=

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、1月速報値51.5で横ばい 価

ビジネス

グリーン英中銀委員、インフレ圧力や賃金上昇指標を依
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 8
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 10
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中