最新記事

米中関係

トランプ「新型コロナウイルス、武漢の研究所から流出したものか調査中」

2020年4月16日(木)11時11分

トランプ米大統領は15日、新型コロナウイルスが中国湖北省武漢にあるウイルス研究所から流出したものかどうかを米政府が調査中だと明らかにした。写真は4月15日、ワシントンのホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領は15日、新型コロナウイルスが中国湖北省武漢にあるウイルス研究所から流出したものかどうかを米政府が調査中だと明らかにした。新型ウイルスの発生源はまだ解明されていない。

ミリー米統合参謀本部議長は14日、米国の情報活動によると新型ウイルスは自然発生した可能性が高いとして、中国が人為的に作り出したウイルスが事故によって流出したとの説に反する見方を示した。ただ、いずれの説にも確証はないと述べた。

FOXニュースは15日、新型ウイルスは武漢の研究所で生物兵器として作られたのではなく、ウイルスを特定して戦う中国の能力が米国と同等かそれ以上であることを示す目的で作られたと報道。

他のメディアも、安全基準の緩い同研究所から新型ウイルスが流出し、近くの市場で感染拡大が始まったと伝えている。

トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で、新型ウイルスが武漢の研究所から流出したとの報道について問われると、認識していると回答。「われわれは徹底的な検証を行っている」と述べた。

また、中国の習近平国家主席との協議でこの問題を取り上げたかとの問いには「研究所に関して習氏に何を話したかには触れたくない。今は不適切だ」と答えた。

中国科学院の武漢ウイルス研究所は2月時点で、新型コロナウイルスが所内で作り出され、流出した可能性を否定している。

トランプ大統領の会見後、ポンペオ米国務長官はFOXニュースのインタビューで、「新型ウイルスが武漢で発生したことは知っている」と発言。

武漢ウイルス研究所は感染拡大が始まった市場から数マイルしか離れていないとし、中国政府はウイルスの拡散経緯など知っている情報を「すべて開示する必要がある」と述べた。

[ワシントン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・日本・台湾・香港の「コロナ成績表」──感染爆発が起きていないのはなぜ?
・アメリカが期待した「クロロキン」、ブラジルで被験者死亡で臨床試験中止
・「社会的距離の確保、2022年まで必要な可能性」米ハーバード大学が指摘
・気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

和平計画、ウクライナと欧州が関与すべきとEU外相

ビジネス

ECB利下げ、大幅な見通しの変化必要=アイルランド

ワールド

台湾輸出受注、10カ月連続増 年間で7000億ドル

ワールド

中国、日本が「間違った」道を進み続けるなら必要な措
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 8
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 9
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 10
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中