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感染症対策オーストラリア、新型コロナウイルス特需? 買いだめ広がり2月小売売上が前月比0.4%増
オーストラリア連邦統計局が発表した2月の小売売上高(速報値)は、前月比0.4%増加した。写真はオーストラリアで14日撮影(2020年 ロイター/RICHARD SHARMAN)
オーストラリア連邦統計局が発表した2月の小売売上高(速報値)は、前月比0.4%増加した。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、日用品や食品などを買いだめする動きが広がった。
小売売上高は昨年12月と1月に減少していたが、食品を中心に売上高が増加し、プラスに転じた。
ウイルス感染を阻止するために導入された移動制限で観光業や飲食店の売り上げが低迷するなか、衣服や靴、アクセサリー、免税品、高級品などの販売に影響が及んでいる。
統計局によると、観光産業とさほど関連がない小売店の販売にはほとんど影響が出ていない。
統計局は、新型ウイルスへの景気への影響を把握しやすいように公表するデータを増やしており、今回の小売統計もそうした統計のひとつ。4月3日には、2月小売売上高の確報値が発表される。
ナショナル・オーストラリア銀行のチーフエコノミスト、アラン・オスター氏は、2月の小売売上高はプラスとなったものの、喜ぶべき点はほとんどないと指摘。パニック的な買いだめは今や全土に広がっていおり、3月の小売売上高全体の数字を押し上げるが、医療や教育関連、飲食店、航空会社などは大きな課題に直面しているとの見方を示した。
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