最新記事

新型コロナウイルス

春節のマカオがゴーストタウンに 新型コロナウイルス感染拡大で観光客激減

2020年1月29日(水)18時15分

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、本来なら春節(旧正月)の書き入れ時を迎えているはずのマカオがゴーストタウンに近い状態となっている。写真はマカオで昨年12月撮影(2020年 ロイター/JASON LEE)

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、本来なら春節(旧正月)の書き入れ時を迎えているはずのマカオがゴーストタウンに近い状態となっている。中国政府が感染封じ込めを狙い、海外団体旅行の禁止など国民の旅行を制限する措置を打ち出したため、訪れる観光客が例年に比べ激減している。

マカオ政府は28日夜、中国本土からマカオを訪れる旅客の間で最も一般的に使用されるビザの1つである個人訪問スキーム(IVS)の発給が一時的に停止されると発表した。最新の当局のデータによると、24日以降の訪問客は前年比で69%も落ち込んだ。

中国経済の減速や香港で続く抗議デモに加えて、春節と重なった新型肺炎の感染拡大の影響がとりわけ懸念されている。マカオへの渡航制限が続けば、カジノ業界の収入が少なくとも30%減ると予想するアナリストもいる。

29日に取引が再開された香港株式市場では、マカオのカジノ関連株が急落。MGMチャイナは6%、金沙中国(サンズ・チャイナ)は5.7%、ウィン・マカオは4.8%、ギャラクシー・エンターテインメントは4.7%、それぞれ下げている。

中国で唯一、合法的にカジノでギャンブルができるマカオの訪問者は90%が中国本土からの旅客だが、中国本土とマカオを結ぶ航空便やフェリーも便数が削減されている。

カジノは営業しているものの、運営業者はレストランを休業し、ショーはすべてキャンセルした。

マカオの賀一誠行政長官は、感染拡大に対応してマカオの全てのカジノを閉鎖する可能性も排除しないと述べている。

マカオ政府は湖北省からの観光客全員にマカオを離れるよう指示したが、当局者らによると、270人前後がマカオに残っているという。

[香港 29日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、予想

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中