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国内株を2年連続で上回ったJリート市場のバリュエーションは?──2019年は21%上昇

2020年1月22日(水)13時20分
岩佐 浩人(ニッセイ基礎研究所)

もっとも、市場は将来のファンダメンタルズ(期待)も織り込んで価格を形成します。そこで、一定の前提条件をもとに作成した将来のファンダメンタルズ(今後4年間)1をベースに計算した、東証REIT指数のバリュエーションを確認しましょう(図表3)。

まず、イールドスプレッドは「3.6%~3.8%」の範囲にあり、引き続き過去平均(3.4%)と比較して割安な水準を維持する見通しです。次に、NAV倍率は1年後に過去平均(1.16x)とほぼ同水準となり、4年後には解散価値に等しい1倍まで低下します。つまり、NAV倍率でみて割高にみえる現在の価格はNAVの成長期待を織り込んだ水準にあるとも言えます。

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市場価格が勢いよく上昇すればさらに上昇するのではと楽観し、市場価格が急落すればさらに下落するのではと不安に陥るのは人情かと思います。一方で、割高・割安を判断するバリュエーション指標は価格と反対の動きを示すため、価格が下落(上昇)するほど投資の魅力度は向上(低下)します。

長期投資を志向する投資家は目先の価格変動に一喜一憂することなく、自らの投資目線(バリュエーション)に沿った運用を心掛けたいものです。

――――――――
1 1口当たり分配金は「J-REIT市場の収益見通し。今後5年で分配金6%成長を見込む」(岩佐 浩人、基礎研レポート、2019年11月7日)、10年国債利回りは「中期経済見通し(2019~2029年度)」(ニッセイ基礎研究所、Weekly エコノミスト・レター、2019年10月15日)を参照。1口当たりNAVは便宜上、過去の平均成長率(年率4%)を適用。

Nissei_Iwasa.jpg[執筆者]
岩佐 浩人 (いわさ ひろと)
ニッセイ基礎研究所
金融研究部 不動産調査室長

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